首相主催「桜を見る会」毎月開催へ−問われる官邸の企画能力


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麻生首相が「桜を見る会」の月例化を打ち出し,官邸スタッフらを困惑させている。

桜を見る会」は,毎年4月上旬に首相が主催している,恒例の行事だ。
各界代表者や文化人らが招待され,天皇陛下主催の園遊会などと比較すると,ややくだけた雰囲気である点が出席者らにも好評のイベントだ。
どちらかと言えば政界の堅い話よりも柔らかい話の方が得意な首相にとってはまさに「最適」とも言えるイベントで,先日新宿御苑で開催された今年の会でも,出席者らに気軽に話しかけている様子がテレビ等で放映されている。

麻生首相は「こういう,カジュアル感のあるイベントこそ自分の持ち味を最大限に発揮できる」と確信,官邸スタッフに「このイベントを毎月やりたい。何か企画を考えろ」と命じたという。

スタッフらは,月ごとの旬の「自然」を念頭に,「あじさいを見る会」「ススキを見る会」「寒椿を見る会」などを提案したものの,首相は「うーん,ちょっと湿っぽいな,イメージが!」とダメ出し。


結局,企画が定まらないままに5月もイベントを開催することだけが決定,官邸から1万名の招待客に対して
「何かを見る会」
という,極めて不審な名称の招待状が届けられることになった。



5月10日(日)のイベント名称はようやく開催4日前に「五月晴れを見る会」に決定,会場の新宿御苑での準備が進められた。

しかし前日の9日になって天気予報が急変,当日は雨天になることがほぼ確実となったため,スタッフらは麻生首相に雨天決行とするかどうかの判断を求めた。

麻生首相の指示は,「雨なら屋内で何かする企画を考えろ」。開催前日の夜9時を過ぎてのイベント内容変更にスタッフも狼狽したが,結局深夜2時まで議論を重ねた結果,比較的新宿御苑に近い代々木第一体育館を借り切って,首相の意向を酌んで,
「ゴルゴ13を読む会」
とすることが決定。
午前10時のイベントスタートまで8時間を切ったなかで「1万冊のゴルゴ13単行本」を集めるという,極めて困難なミッションがスタッフらに課せられた。

10日の午前9時過ぎ,新宿御苑に集まり始めた招待客らは,企画趣旨と会場が急遽変更になったことを告げられ,シャトルバスで次々に代々木第一体育館に送り込まれた。そこではじめて招待客らは本日のイベント内容を知らされ,入口で各々1冊の「ゴルゴ13」を渡されると,順次体育館内に誘導された。

午前10時25分,予定よりもやや遅れて会場入りした麻生首相が壇上に立ち,「今日は思う存分ゴルゴ13をご堪能ください。それでは,はじめ!」の掛け声で,1万名が一斉に「ゴルゴ13」を無言で読み始めるという前代未聞のイベントが始まった。

正装で「ゴルゴ13」を読まされることになりやや当惑する招待客も見受けられたが,大半の参加者は「こんな短時間で1万冊もの『ゴルゴ13』を調達するとは」と,官邸の物品調達力にも感銘を受けていた模様だ。

そんななか,再び招待されたノーベル賞受賞者益川敏英教授だけは「3kmも離れた所から狙撃して命中するなんて,物理学的にはあり得ない!」と麻生首相に食ってかかろうとし,隣の小林教授がとりなすなどの微笑ましい場面も見受けられた。

約1時間後に再び麻生首相の「止め!」の掛け声で読書タイムは終了,会場内で読後感想を語り合って12時過ぎにイベントは終了した。



終了後の首相は「自分らしさを出せた」といたって上機嫌であり,スタッフらに「何かを見ることにこだわらず,もっと自由な発想で,麻生色をアピールするイベントを考えろ!」とハッパをかけた。

現時点では,6月のイベントは
定額給付金を使って秋葉原で家電を買ってエコポイントを貯める会」
とする線が濃厚で,「招待しても集まってくれるのか」と疑問視する声も強いようだ。

官邸事務局では,「正装姿の男女1万名が秋葉原に集結すると『コスプレイベント』と間違われないか」など,様々な角度からこの案の実現可能性を慎重に検討しており,その結果が待たれる。