タバコ税問題,収拾不能な状態へ


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鳩山首相がタバコ税増税を示唆した際に言及した「健康への影響」をめぐり,思わぬ形で議論が広がっている。



きっかけとなったのは先月30日の首相会見で,財源不足問題について問われた鳩山首相が「(タバコ税は)環境や身体(への影響)の面から見て増税ありうべしかなと思う」と発言したこと。
この発言を受けてJT日本たばこ産業)は即座に反論のコメントを公表したが,その際「他にも国民の健康に悪影響をもたらす物品が多数ある中で,タバコだけを狙い撃ちするのは明らかに不公平」という主張も行っている。
この主張を逆手に取り,「国民の健康に悪影響を及ぼすモノに対する課税を強化すべき」という議論が政府・与党内で活発化したものだ。


真っ先に槍玉に挙げられているのが「とんこつラーメン」。

北海道選出のA代議士は,9日午前に開催された民主党財源問題勉強会で「あんなにこってりギトギトしたラーメンを毎日,スープまで飲んでいるような人間は不健康になって当たり前。こうした行動を取らせないためにも価格の200%程度の『とんこつ税』を賦課すべきだ」と主張。

とんこつラーメンの本場である福岡県選出のB代議士が即座に反論しようとしたが,A代議士はこれをさえぎり「地元の利害に縛られた議論は我々が最も避けるべきやり方ではないのか」と一喝。

これが効いたのか,以降の議論は「とんこつしょうゆラーメンへの課税はどうするか」「スープの濃度と税率は連動させるべきか」など,技術的な質疑に終始,方向性自体は概ね合意される結果となった。

これに対して「全国とんこつラーメン協議会」が猛烈に反発。「とんこつスープは意外とあっさりしている,というのがラーメン愛好者の常識。ろくに食べたこともない政治家が見た目だけで決め付けるとは論外だ」とし,「むしろ健康に悪いのは味噌ラーメンの方」などと主張。

突然矛先を向けられた味噌ラーメン界も黙っておらず,「見た目あっさりのしおラーメンやしょうゆラーメンも結構塩分を使っている」と主張。その結果,「うどんやそばも実は塩分が多いはず」「カルボナーラのこってり感がたまらない」などと,麺類業界全体を巻き込んだ内紛に発展しており,議論の収拾が付かない状況に陥りつつある。


さらに議論を複雑にしているのが,民主党C代議士が提言した「大盛り税」問題だ。

「健康は食べ物の質だけではなく量によっても害される」という正論を展開,1回の食事につき総重量で400gを超える部分について1gあたり10円という高率の課税を行うという案だ。

この案に対しては,「食事回数を分割する課税逃れが発生する」「大食いタレントが全滅してしまう」等と反対論も根強いが,C代議士は「大盛り税は,無駄食いの減少を通じて食糧自給率を高める効果もある」として一歩も退かない構えを見せている。



食べ物だけではなく,「国民の健康に悪いモノに課税する」という大方針に沿った形で,他にも多数の案が登場してきている。

国民新党のD代議士の発案は「経営者はショッキングな報告を毎日聞かされて心臓を痛めている。こうした記録・報告書に一律1件あたり3,000円の課税を行うことで,ショッキングな報告を減らして経営者の心臓を守りたい」という「衝撃税」構想だ。

これに対しては,日本経団連が「悪い情報ほど早く,というのはビジネス界の鉄則。こんな馬鹿げた課税が実施されれば,悪い情報が一切伝わらなくなり,大変なことになる」と猛反発。財務省筋も「企業の競争力低下を通じて法人税収減少につながりかねない」と否定的な反応を示している。



自民党筋は,「最終的には『全てのモノ・サービスは何らかの形で国民の健康に害を及ぼす可能性がある』として一律課税に踏み切り,事実上の消費税引き上げに持ち込もうとしているのではないか」と警戒しており,今後の動向に注目が必要だ。