社会に広がる3D技術−社員食堂にまで登場


注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。



映画「アバター」の記録的大ヒットを受けて再び注目を集めた3D技術が今,各企業で想定を越えて活用され始めている。



最も多いのが,読者に分かりやすい情報提供を行うという観点から,「飛び出すディスクロ誌」「飛び出す有価証券報告書」等を作成する企業。東京証券取引所の調査では,既に57社がこうした「3Dディスクロージャー」を方針として決定しているという。

学生時代に走り高跳びの選手だった某メガバンクの頭取は,ディスクロ誌1ページの「経営者ご挨拶」用として,「経営課題」と記されたバーを背面跳びでクリアするという,躍動感あふれる写真撮影を終えており,「うちも独自性を出さなければ」と他行の焦りを誘っている。

ただ,企業の情報開示を所管する金融庁では「都合のよい情報だけが飛び出して見えて,隠したい情報が奥に引っ込むような加工をする企業が出るのではないか」と懸念を強めている模様だ。



こうした,比較的単純な用途を超えた活用事例も増えている。



社員食堂に世界で初めて3D技術を導入したのは日産自動車だ。

社員の健康管理と経費削減を実現すべく,今年から社員食堂でご飯・おかずのボリュームを一律40%カットすることとしたが,試作した結果相当貧弱なイメージの定食になることが判明。

社員の士気にも影響しかねないことから,社員食堂入口で利用者に3Dメガネを着用させて,メガネをかけると立体感あふれる定食に見えるよう,盛り付け等の工夫を行ったものだ。

盛り付け方によって「最大で90%のボリュームアップイメージを与えることが出来る」(同社)とされており,同社では「腹いっぱい食べたはずだがなぜか空腹」という社員が増え始めている。

この取組みについて,農林水産省では「食べる量が減れば,結果として食料自給率上昇にもプラスに寄与するのでは」と高く評価している模様だ。



ビル建設にも3D技術が活用され始めている。

好景気の時期には,「ブルジュ・ハリファブルジュ・ドバイ)」のようにに世界各地で高さや豪華さを競う建築物競争が盛んになる。

その結果,東京,シアトル,ドバイ等,活断層やプレート境界の存在から地震リスクを否定できない都市においても超高層ビルが立ち並ぶことになるほか,需要を超えるビル供給により景気後退期の傷口を大きくするといった弊害が指摘されている。


このような事態を防止すべく,現在建設が進む「東京スカイツリー」で採用が決定されたのが,「実測値よりも3割高く見せる技術」だ。


スカイツリーは最終的に600m超の高さとなる予定だったが,電波塔としての機能を発揮するうえでは,地上500m程度の高さが確保できれば十分であるとされている。このため,タワーデザインに「だまし絵」技術を採用したうえで周辺住民や通行者に3Dメガネの着用を義務付けることにより,「本当は500mだが600m以上の高さに見えるタワー」を実現させる,という計画だ。

500m超部分の構造物が不要になることによるコスト削減効果は「220億円以上は見込める」(東武鉄道)とされており,3Dメガネの製作・配布費用を差し引いても十分大きなメリットがあるとされている。

今後の研究の進展により,「実測値の20倍の高さに見せる技術」が実現されれば,2階建住宅を「40階建て超高層一戸建住宅」に見せることができるなど,マイホームの夢も広がりそうだ。



何が現実なのかが次第にあいまいになる世界のなかで,だます立場とだまされる立場のいずれに身を置くべきか,各自が真剣に考えることが求められそうだ。