宇都宮市内がイルカだらけに−「みんなの党」の挑戦


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みんなの党」が参院選向けアジェンダで示した政策の社会実験が,渡辺代表の地元栃木県で進んでおり,北関東の風景を一変させている。

同党の参院選アジェンダ「みんなでワッショイ2010」の5ページに記されている「イルカとの共生」が問題の政策だ。

アジェンダに記されている政策のポイントは次のとおり。

  1. 全国の道路(国道・県道・市町村道)を全て廃止し,跡地を掘り下げて運河・水路網を作り上げる。
  2. 自動車の使用は原則禁止し,人・貨物の移動は水路を利用することとし,輸送手段としてイルカを活用する。
  3. 全国民に1頭ずつイルカが行き渡るよう,国家事業としてイルカの繁殖と調教に取り組む。


同党の渡辺喜美代表は,この政策のメリットを次のように語る。

公共工事のうち相当部分は道路の補修工事。維持費用が圧倒的に安い水路に切り替えることで,長期的な財政負担を大幅に削減できます」

「一方で当面の間は,運河整備という公共事業が大量に発生することになり,本格的な景気回復を支えていくことができます」

「道路が水路に変われば,ヒートアイランド現象の緩和などの効果が期待でき,冷房等のエネルギー消費を削減していくことが可能になります」

「頻発するゲリラ豪雨についても,水路網を張り巡らせておけば水流が分散されるので極端な氾濫などのリスクが大幅に下がります

「イルカとの日常的な接触は,子供にとって最良の情操教育になります」

「イルカを大量に繁殖させ,人と共生することにより,一部の海外動物保護団体の執拗な批判を回避できます」

「全国に広がる運河網とイルカは,新たな観光資源となり,海外からの観光客が大幅に増加することが期待できます」

「子供の憧れの職業,イルカのトレーナーに対する需要が急拡大し,子供が希望する職業に就ける可能性が大幅に高まります」

数々のメリットを挙げ続ける渡辺代表の熱弁に動かされたのか,地元である栃木県ではみんなの党の支援者らが自発的に「社会実験」と称して,政策実現に向けて動き始めている。


JR宇都宮駅を下りて駅前に出ると,既にそこに道路はなく,陽光をゆらゆらと反射させる運河が駅前の建物の間を縦横無尽に走っている。

宇都宮市役所によれば,駅を中心とする半径400mの道路は完全に運河への転換が終わっており,近くを流れる鬼怒川から引いてきた水で満たされているという。

この大規模な工事は何と,市民5万人のボランティアによる手弁当の作業により,わずか3週間で完成したというから驚きだ。


運河には既に合計2000頭ものバンドウイルカが泳いでいる。

残念ながら市民に1頭ずつ行き渡る頭数ではないため,運河のあちらこちらに「タクシー乗り場」のような「イルカ乗り場」が設置され,夕方の帰宅ラッシュ時ともなると乗り場の前に市民の長蛇の列が出来るという。

土曜日の夜になると,集団でバイクの代わりにイルカに跨り,ジャンプなど派手な芸を野次馬に誇示する「イルカ暴走族」と呼ばれる若者たちも出現しており,深夜の駅前が熱く盛り上がっている。


第一生命宇都宮支社の村田和正さん(29)は,そんな宇都宮の「イルカ乗り」達の中でも群を抜いたテクニックを誇る,通称「イルカ王子」だ。

毎朝村田さんは馴染みのイルカを掴まえて,運河の裏道を通って鬼怒川に出てその流域を移動,川岸を散歩する通行人に生命保険を売りつけるという独特の営業スタイルで,支社ナンバー1の営業成績を獲得している。

東京本社で研修があるときには,鬼怒川から東京湾までイルカで移動し,そのまま本社の目の前にある皇居のお堀まで乗り付ける離れ業を見せ付けるという。


そんな宇都宮市民の壮大な実験だが,政策実現上の大きなハードルが一つ判明している。それは,イルカの餌の確保だ。

イルカ2000頭が食べる魚の量は,アジに換算して1日当たり6万匹相当。日本国民一人一人にイルカを用意すると,実に毎日40億匹近いアジが必要になる計算だ。


水産資源の壊滅必至となるこの問題を回避するため,現在宇都宮市役所では,魚以外の餌を食べないか,様々な実験を試みている。

これまでのところ,イルカの反応が最もよかったのは,意外にも宇都宮名物の焼き餃子だ。
イルカによっては魚よりもニンニク入り焼き餃子の方を好む例もあるといい,「イルカの餌として,宇都宮餃子を日本中に広めていきたい」と希望を膨らませている。

こうした実験が宇都宮市内にとどまるか,日本中に広がるかはまさに今後の選挙次第。みんなの党の今後の党勢拡大に注目が必要だ。