会計基準の世界統一,ついに合意−パプアニューギニア基準に決定

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ロンドンに本部を置く国際会計基準審議会(IASB)は25日,全世界の会計基準設定主体を代表して記者会見を行い,パプアニューギニアのカルカニンガラ族が16世紀に作成した会計基準(カルカニンガラ会計原則)を,2015年から全世界共通の会計基準として適用する「ニューギニア合意」を締結したと発表した。


会計基準のグローバルな統合については,2002年のノーウォーク合意(欧・米間),2007年の東京合意(日・欧間)などを経て,2008年の金融危機の影響なども踏まえつつ急速に検討作業が進められてきた。

しかし昨年末以降,各国間の利害対立が深刻な論点をめぐり議論の紛糾が目立ちはじめ,検討作業スケジュールが全体的に先送りされるなど,先行きの不透明感が高まっていた。


IASBのトウィーディ議長は,来年6月の退任が決まっていることもあり,そんな現状に強い危機感を抱いていた。

「わがIASBが決定するIFRS国際財務報告基準)への収れんを図ろうとするこれまでの議論のスタンス自体が間違っていたのではないだろうか」と自問自答した議長は,密かにFASB(米国財務会計基準審議会)のハーズ議長に思いのたけを打ち明けた。

二人は「既存の会計基準のどれかに収れんさせようという考えが悪かったのだろう。全くの第三者が作成した会計基準であれば,皆公平な立場で受け入れることが出来るかもしれない」という点で意見が一致。
今年の夏休みを利用して二人は,世界中の「まだ見ぬ会計基準」を探し求める旅に出た。


アフリカ大陸,マダガスカル島,南米ボリビア中央アジアなど合計38カ国・地域を放浪したものの,世界各国を納得させるような会計基準は見当たらず,絶望感にさいなまれながらたどり着いたのがパプアニューギニアだった。

ここでトゥイーディ議長らは,カルカニンガラ族の長老の一人,ウサイモさん(推定90歳)に面会。
そこで初めて「カルカニンガラ会計原則」の存在を知った。


ニューギニア高地では,カルカニンガラ族をはじめ,非常に多数の少数民族が生活している。
それぞれの生活圏がジャングルや高山等により阻まれているため,各部族間の交流が始まったのはここ数世紀といわれている。
言語が異なる部族間での意思疎通には,コミュニケーションツールが必須。部族同士の交流は交易が中心だが,そこでトラブルを起こさないためには,互いの損得のバランスが保たれることが重要だ。

そのため,両者が損得判断を行うルールとして作られたのが「カルカニンガラ会計原則」だという。

IFRSの基準書が約3,000ページ,米国会計基準に至っては数万ページともいわれる膨大なボリュームに達しているのに対し,この会計原則は1ページ,わずか2か条だけで構成されている。

第1条「嘘はつかない」。

第2条「小さいことは気にしない」。

ウサイモさんはこの2か条について「長い付き合いのなかで必要なのはお互いの信頼だけ。取引ごとに多少の損得があったとしても長い目で見れば問題ない」と語ったという。


トゥイーディ議長は「まさにこれはIFRSが志向する,原則ベースの会計基準の究極の姿だ」と感動,ハーズ議長も「ウサイモさんの言っていることに間違いは無い」と納得。
早速,ウサイモさんを9月20・21日にロンドンで開催された世界会計基準設定主体会議に特別ゲストとして招いた。


会議の最後に行われたウサイモさんの「カルカニンガラ会計原則」についての講演では,あまりのシンプルさに感動した世界中の出席者から賛同の拍手が起こる一方,基準としての適格性を疑問視する向きも少なくなかった。

しかし,出席者の「『小さい』の定義はどうなっているのか,またその小ささの測定方法はどうなっているのか」という質問に対し,ウサイモさんが「そういう小さいことにこだわってはいけない」と回答,満場の喝采を浴び,ムードは一気に「カルカニンガラ会計原則」採用の方向に傾いた。


その後,各国監督当局との調整を経て,晴れて25日に,「カルカニンガラ会計原則」を全世界共通かつ唯一の会計基準として採用する「ニューギニア合意」が成立したものだ。


「カルカニンガラ会計原則」のもとでの会計監査は,「嘘をついているかどうか」の確認が最も重要であるため,会計士ではなく神父や牧師,僧侶などが監査人を務めることが認められている。
日本の仏教界は大きなビジネスチャンスに色めきたち,早くも僧侶らが続々と大手企業の本社を営業回りする姿が目立ち始めている。


極限までスリム化された新しい会計基準のもとで,世界がどう変わっていくのか,注目が必要だ。