新しい緑化システムが静かなブーム−グリーン・アフロ・マンの挑戦


注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。


丸の内の三菱商事に勤務する高橋良治さん(54)は,職場の同僚から「グリーン・アフロ・マン」と呼ばれて親しまれている。
その名のとおり,高橋さんの頭部は見事なまでに緑色のアフロヘア。
だが,近づいてよく見ると,実はそれが大量のパセリであることが分かる。
そう,高橋さんは3年前に世界で初めて「頭頂緑化」に成功し,NPOグリーン・ジャイアン」の代表として活動する人物だ。



頭頂緑化とは,人間の頭頂部に植物を植え,育てること。「屋上緑化」と並ぶ新しい緑化システムとして,高橋さんの成功以来静かなブームとなっている。
高橋さんによると,頭頂緑化の方法は様々で,毛根に種子を直播する方法や,頭皮に保水性フィルムを貼り付けてそのうえに播種する方法などが開発されているという。いずれの方法も,頭頂部に毛髪がないことが絶対条件だ。



高橋さんによると,頭頂緑化のメリットは山ほどあるという。

最初にあげられるのが熱中症対策。禿頭にとって夏は地獄で,今年のような猛暑では真っ先に熱中症の餌食になってしまう。ところが「頭にパセリを植えてからは,常に木陰にいるような爽やかな気分で過ごしています」という。

また,地球温暖化や,ヒートアイランド現象の緩和に貢献できるのも見逃せないポイントだ。街を歩くだけでエコポイントがもらえる,という噂もあながち嘘ではなさそうだ。

さらには,「頭にいろいろな植物を植えた人が街を行き交うことで,殺伐とした社会に潤いをもたらし,子供たちの情操教育にも貢献できる」と胸を張る。もちろん,従来のかつらよりも大幅にコストの安い「第3のかつら」としての役割に着目する人も多いようだ。

高橋さんの成功を受けて,現在都内では「約800名が頭頂緑化を実践している」(NPO事務局)という。



何を植えるかはそれぞれの自由であるところも,この頭頂緑化の楽しいところだ。

これまで加齢臭に悩まされてきたオフィス用品メーカーのAさん(51)の場合,頭頂部にはきれいなラベンダーの花が咲き誇っている。可憐なラベンダーと,日焼けして脂ぎった顔のAさんのコントラストはなかなか微妙だが,消臭効果はかなり高いようで,社内では「歩く消臭ポット」と呼ばれ親しまれているという。

霞ヶ関の官庁勤務のBさん(44)の頭頂部では,陸稲である「トヨハタモチ」が間もなく収穫の時期を迎えようとしている。まさに「実るほど頭をたれる稲穂かな」を地で行っており,秋風で稲穂が揺れるたびに「頭上に秋の到来を感じます」とBさんは語る。

一方,同じく陸稲を頭頂部で栽培している同僚のCさん(53)は,帰りの電車で居眠りしている隙に,何者かによりばっさりと根元から刈り取られてしまったという。すっかりさびしい頭になってしまったCさんは警察に被害届を出したが,警察ではこの事件が「親父狩り」なのか「稲狩り(刈り)」なのか,判断に苦慮しているという。


このように基本的には何を植えるのも自由だが,ジャガイモのように地下茎が生長する植物を植えると頭蓋圧迫による生命の危険もあるため,NPOでは「頭頂緑化に向く植物・向かない植物」のパンフレットを作成し,10月から都内各地で頭頂緑化が出来そうな人々に配布する予定だという。


こうした動きには各金融機関も敏感に反応している。
既にNPO事務局には「農業・環境関連ビジネスの一環として融資等で協力したい」という打診が複数寄せられている模様で,日本銀行にも「こうした分野への融資は,成長基盤強化分野に該当するのか」との照会が寄せられているという。

「2015年までに日本全国で1000万件以上の頭頂緑化を実現させたい」という,高橋さんの夢は実現に向けて着々と歩を進めているようだ。