国際成人力調査に備え,日本企業が奮闘


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この8月から世界26カ国で始まっている「国際成人力調査(PIAAC)」をめぐり,日本企業が独自の奮闘を始めている。



「国際成人力調査」とは,世界26カ国(予定)の16歳〜65歳の成人を対象として,「各国の成人が日常生活や職場で必要とされる技能(成人力)をどの程度持っているか調べる」もので,日本は昨年から参加準備を開始,この8月から順次,調査がスタートする予定だ。
住民基本台帳からの無作為抽出で約5,000人が対象になり,結果の発表は2013年となる見込みで,具体的な問題例も既に公表されている(http://www.nier.go.jp/piaac/#d_1)。


近年,日本の小中学生の学力等の国際ランキングの低下が目立っており,成人まで他国に負けるとなると,日本が一層侮られることにもなりかねず,調査で上位に食い込むことはまさに国益そのものと言ってもよい。
このため政府は7月に,日本経団連に対し「成人力調査で高得点が獲得できるよう,各企業単位で,『成人力向上トレーニング』に取り組む」ことを提案していた。


この提案に応じるかどうか,日本経団連では「教育問題委員会」(委員長:川村隆・日立製作所会長)を開催して協議したところ,意外にも委員企業全てが「ぜひやりたい」と挙手。
日本郵船の委員は「社員間で意思疎通がうまくいかないケースが増えているが,原因は社会人・成人として共有しておくべき感性や常識の不足にあると見ており,『成人力調査』はこれをチェックし,改善していく絶好の契機となる」と賛成理由を述べた。
日本経団連では,「各企業で成人力調査の問題作成・採点を行うのは負担が大きい」として,教育問題委員会の下部組織として「成人力養成テスト問題検討部会」を設け,具体的な調査の設問を作成していくことを決めた。



8月27日に開催された第1回部会では,委員がそれぞれ1問ずつ例題を作成して持ち寄り,意見交換を行った。
住友林業の委員が作成した例題は以下のとおり。



貴方は宴会の幹事です。出席者は全員自分より大幅に年上ですが,具体的な年齢・役職等は全く分かりません。間もなく宴会の中締めをする時間が来ます。貴方の対応は次の選択肢のうちどれに近いですか。

  1. 見た目が一番老けている人に中締めをお願いする。
  2. 他の出席者から敬語で話しかけられている人に中締めをお願いする。
  3. 「僭越ながら私が」と自分で締める。

この例題に対しては,「参加者の素性が全然分からない宴会というのは存在するのか」「幹事がさっさと締めるのが合理的」「そもそも宴会の中締めって必要なのか」等,喧々諤々の議論となった。


また,凸版印刷の委員が作成した例題,


昼どきのレストランで店員から相席をお願いされ,承諾したところ,どう見ても地球人ではない謎の生命体が目の前の席に座りました。貴方の反応は次の選択肢のうちどれに近いですか。

  1. 悲鳴を上げて勘定も払わずに逃げ出す。
  2. 「本日の日替わりランチ」がお得だということを何とかして伝える。
  3. よく見たら上司だったので,特に騒がず普通に会話する。

に対しては,「ちょっとシュールすぎて付いていけない」「いや,これくらい突拍子のない事例の方が真の成人力が現れやすい」と意見が真っ二つに割れる結果となった。



こうした議論は日々進められており,9月1日現在,部会が作成した例題は既に100問を超えている模様で,9月下旬からは一部企業で試行的にテストが実施される見通しだ。
企業によってはこの成人力テストの結果を「人事考課に反映させる」としている。


これからのサラリーマンは,どのような角度から試されるか分からない「成人力」を向上させるべく,日々研鑽することが求められそうだ。