箱根駅伝が「巨大化」−平成24年大会のゴールは鹿児島に

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平成24年新春から,「箱根駅伝」が「箱根経由駅伝」に生まれ変わることが明らかになった。


箱根駅伝は,正月休みにテレビで全国中継されることから,知名度では抜群の大会だ。しかし,関東の地方大会という位置付けのため,あくまで「出雲駅伝」「全日本大学駅伝」と並ぶ大学3大駅伝の一つという地位に甘んじている。
箱根駅伝OB達は箱根駅伝こそ日本最高峰の大会だとなぜ皆が認めてくれないのか」と不満を顕わにしているが,スポーツジャーナリストの二宮清純氏は「箱根で引き返し,関東から出ようとしない閉鎖性などが,学生駅伝の最高峰とは言えない理由だ」と断言する。



こうした事情を背景に,「箱根」を名実ともに最高峰の大会に格上げしようという思惑から,平成24年新春から急遽実施されることになったのが,「箱根経由駅伝」だ。
スタートが東京・大手町で,箱根に向かうのも現行どおりだが,箱根を単なる経由地とし,最終ゴールは毎年全国各地に設定していく,という史上最大規模の駅伝とする点が従来と異なっている。
「大学駅伝の最高峰であることを見せ付ける」(関東学生陸連幹部)ため,参加資格を全国の大学に拡大した上で,初回である24年新春大会は,ゴールを鹿児島市に設定。箱根の山を上って静岡側に下っていき,東海道を旅した後は紀伊半島縦断⇒琵琶湖⇒大阪⇒本四連絡橋を渡り四国一周⇒山陽路⇒九州上陸,一路鹿児島へという,全行程3,280km,全108区間の壮大なコースだ。

注目の区間と見どころを簡単にまとめてみた。


第28〜39区 熊野古道(三重〜和歌山〜奈良)
伊勢神宮から熊野三山を経て高野山に至る全長240kmの世界遺産熊野古道を12人がかりで走り抜ける注目の区間だ。
最大の見どころは,高野山に向かう第39区。箱根の山登り(5区)とはレベルの違う傾斜と悪路がランナーに襲いかかる。また場所柄,沿道で応援する人もいないため,孤独な戦いを強いられる。
今回,本当に「山の神」の称号を得たいなら,39区を走るべきだ,というのが駅伝関係者の一致した評価だ。


第47区 長浜市(滋賀)⇒高島市(滋賀)
直線距離で約20kmながら,間にあるのは琵琶湖。駅伝としては異例の「スイム」で競うという珍しい区間だ。
水温5度の琵琶湖に,遠泳慣れしていない陸上部の精鋭たちがどう挑むのか。また,たすきを掛けたまま泳いでも安全性は確保されるのか。泳いでいる途中でも「給水ポイント」は必要なのか。駅伝界初の「水の神」が誰になるのか,注目だ。


第68区 明石市(兵庫)⇒鳴門市(徳島)
明石大橋を渡って淡路島に到達,さらに鳴門大橋を走って四国・徳島に上陸するという,体力を要求されるコースだ。
淡路島内の給水ポイントでは,水に代えて淡路島名産のタマネギが大量に用意されている。生タマネギが選手たちの喉の渇きを癒してくれるのか,逆に涙が流れて身体から水分を失うことになるのか,注目だ。


第72区 四国八十八箇所巡礼
お遍路さんの格好で八十八箇所霊場めぐりをしながら一人で四国一周するという,全長1,330kmの最難関区間
人類が経験したことのない超長距離走であり,エントリーを尻込みする選手が続出している模様だが,最終的には四国出身の選手らが故郷の誇りを背負って走らされることになりそうだ。なお,この区間は非常に長いため,いわゆる繰上げスタートの時刻は先頭選手が到着してから1時間後,という特例措置が設けられる予定だ。


第91区 佐賀空港前⇒鹿島市(佐賀)
陸路ではなく,干潟で知られる有明海を直進する約15kmの区間
泥まみれになりながら走ることになるのか,それとも満潮の時刻に当たってしまいスイムで乗り切らざるを得ないかは,前区間の走者の到着時刻次第というギャンブル性の強い区間だ。最後の一発逆転が起こり得る重要な区間として,各チームともラッキーボーイを配置することになりそうだ。



既に箱根駅伝出場権を得ている各大学では,出場選手が108名必要になったことから,エントリー選手の追加選定に追われている。一部の大学では,陸上部員全員でも108名に満たないため「今すぐ箱根駅伝に出られます!」という言葉で新入部員勧誘を行っている模様だ。

1月2日の午前8時に東京・大手町をスタートして,ゴールに到着するのは現在のところ,1月10日の午後7時ごろと予想されている。

前評判どおりの強豪校が優勝するのか,それとも思いがけないダークホースが出現するのか,また日本テレビは全区間を完全テレビ中継するのか,さらには「出雲駅伝」「全日本大学駅伝」がどのような対抗策を打ち出してくるのか,様々な意味で注目が必要だ。