「検定」ブームに変化の兆し?

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近年の「検定試験」ブームが曲がり角を迎えようとしている。


かつては「英語検定」「簿記検定」など,比較的堅い内容が多いとされていた検定試験だが,いわゆる「漢字検定」の登場以降,ユニークな検定の登場が続いている。
最近では,あいさつ検定」「神社検定」「夜景鑑賞士検定」「ナマハゲ伝道士検定」「明石タコ検定」「新居浜検定」「ベトナム検定など,ありとあらゆる分野・シチュエーション・地域等を対象にした検定が実施されている。
文部科学省の推定によれば,2012年に実施される検定種類は合計で2万8000を超えると見られている。
また,2011年の各種検定試験の延べ受験者数は13億8000万人となり,日本人全員が年10回以上検定を受けているという計算だ。


このような検定ブームのなか,一部で「受験の意味が無いのではないか」という見方が急速に広がり始めている。


これまで検定受験に特に熱心だったのが就職活動中の学生。
少しでも多くのアピールポイントが欲しい学生にとって,比較的手軽に取得できて個性を際立たせてくれる各種検定は非常に魅力的な存在だ。このため,学生によっては200種類以上の検定に合格しているという実例まであるという。
ただ,採用側の目は冷ややかで,「資格欄に大量の検定名称が書かれていると,『結局お前は何がしたいのか』と言いたくなる」という。中には,「『面接検定』に合格した,ということを面接で得意気にアピールしてくる学生までいて閉口させられる」(大手企業人事担当者)という。
こうした,企業側のネガティブな評価が伝わることで,近時は学生の検定受験熱は急速に冷めていると見られる。


また,企業が人材育成等の一環として検定試験を活用する事例も,ある意味曲がり角に来ている。


会議やプレゼンで自分の主張を好意的に受け止めさせるには,話し方や声色が重要,と考えたA社では,5年前から社員全員に「声優能力検定」の受験を義務付けた
熱心な社員の努力により,現在では8割以上の社員が検定に合格しているという。しかしその結果,社内の会議全体がアニメチックな雰囲気になってしまい,社長に提案を却下された若手社員が妙に高い声で「社長さま〜!もう!ぷんぷん!」と叫ぶことまであるという。
どこかで方向性を間違えたかもしれない」と,同社では近々,制度の見直しを検討する予定だ。


また,たびたび経営危機に襲われ,「神頼み」をする機会が非常に多いというB社では,「効果的な神頼みの仕方を社員全員に身につけさせる」という観点から,宗教文化士検定の受験を推奨。
受験促進のため,「合格すると『宗教文化士手当』として毎月3万円を支給」というインセンティブを付与したところ,社員全員が猛然と勉強,何と全員合格という快挙を成し遂げた。
その結果,人件費が想定外に膨らみ,ふたたび経営危機に見舞われたB社では「やはりこの方針は間違っていたようだ」として,制度廃止を労働組合に提案したが,組合は「話が違う」「天罰が下るぞ」と,ことは宗教戦争さながらの様相を呈し始めている。


今後,どのような検定が新たに勃興し,どのような検定が消え去っていくのか,注目が必要だ。