新学習指導要領でどう変わる?日本社会の行方


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24年度からスタートした新学習指導要領は,学校のみならず,社会の姿も大きく変えようとしている。今回の新要領は日本をどう変え,どこに導こうとしているのか−そんな動きの一部を追った。


今回,最も注目を集めた「中学1・2年生のダンス必修化」は,学校と企業の双方に大きなインパクトを与えた。

ダンスの授業は,「創作ダンス」「フォークダンス」「現代的なリズムのダンス」の中から学校側で選択することになるが,実際には何をどうすればいいのか,悩んでいる学校が大半だ。
そんな状況を見て,「創作ダンス」の無償指導を積極的に提案してきているのが,国際的にも評価の高い前衛舞踏集団・山海塾だ。
主宰の天児牛大(あまがつ・うしお)氏は,現メンバーの高齢化進行という課題を抱えており,将来の山海塾を担うダンサーを育成する観点から提案を行ったものだ。
この申し出には,授業内容で悩んでいた中学教師らが続々と飛びついており,既に全国で50校以上の中学校で,山海塾指導による創作ダンスの採用が決定されている。
ダンスの授業を楽しみに中学に入学した新・中学1年生の中には,全身白塗りで,言葉では表現できない異様な表情・身体表現を実演する教師を見て失神する者まで出るなど,若干の混乱も出ている模様だが,「全体としては順調に滑り出している」(山海塾)としている。


企業にとってもこの動きは他人事ではない。今後の新社会人が徐々に「ダンス世代」に移行していくのが確実である以上,これを踏まえた対応は必須だ。10年後に向けた対策に早くも着手する動きが始まっている。

日本政策投資銀行(DBJ)では,全行員が毎朝励行している「職場体操」をヒップホップ版にリニューアルすることを決定した。
行員からは「まだ早すぎるのでは」との異論が相次いだが,「中高年層の行員がこんな難しい動きをマスターするには,少なくとも10年程度は必要」(人事部)とあくまで予定通り,5月のゴールデンウイーク明けから一斉切り替えを行う方針だ。
また,今回のリニューアルを機に,職場体操に「歌詞」を付けることを決定,現在行内で公募中だ。
日本の未来のためならYo 朝から晩まで働くYo」など,素人くさい歌詞案が続々と送られている模様で,最終的にはこれもゴールデンウイーク明けに選考を終える予定だという。
行内では「会議での議案説明もラップ調で行わせたら,スピーディな進行が実現できそうだ」という意見も出るなど,体操以外の分野にも議論が広がり始めている模様だ。

一方,今回の指導要領改訂の基本思想には「伝統・文化・道徳に関する教育の充実」という面もある。
この点を捉え,一部の私立中学では,今後のさらなる改定を先取りする動きも始まっている。
愛知県の私立東海中学が導入したのが,朱子学」「陽明学など,いわゆる儒学の授業だ。これまでは歴史の授業でわずかに触れる程度だったが,指導要領の基本思想を踏まえ,週40コマの授業のうち,8コマを儒学に充てる熱の入れようだ。
同校の1年生を対象とした「好きな有名人」アンケートで,第3位に陽明学の熊沢蕃山,7位に朱子学林羅山がランクインするなど,その授業の成果は着々と現れている。
ただ,これらの授業に熱心な一部の生徒が過激化し,「尊皇攘夷同好会」を結成。英語の授業をボイコットしたり,ヒップホップダンスの授業中に長唄を流しながら乱入する等の暴挙に及んでいる。
こうした校内の混乱について,同校では「幕末のような雰囲気が漂っており,こうした空気の中でこそ,日本の歴史を動かす逸材が生まれてくると確信している」と,さらにこの路線を推し進める方針だ。


教育指導要領の改定は将来の日本人の姿に大きく影響するものであり,安易な試行錯誤が許されるものではないが,これらの動きが次に何を生み出すのか,注視していく必要がありそうだ。