日銀短観,歴史的大改正へ

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日銀短観が,昨今の国内外情勢を反映し,大きく生まれ変わる。


短観(全国企業短期経済観測調査)は,全国の企業動向を的確に把握し,金融政策の適切な運営を行うための材料とするべく,日本銀行が四半期ごとに実施しているものだ。
最も代表的な項目である「業況判断DI」(業況が「よい」と答えた割合から「悪い」と答えた割合を引いた指数)は,市場を動かす材料としても有名だ。


そんな短観が,24年6月調査分から大きく生まれ変わることが1日,明らかとなった。
日銀幹部によれば,短観の調査対象に新たに「個人」(無作為抽出で選定)300万人程度を加え,さらに現在は50足らずの調査項目を一気に100倍の5,000項目にまで増加させる,という野心的な改正だという。


その背景の一つが,金融緩和に対する強烈な政治圧力。
景気や財政の問題の尻拭いを全て金融政策に押し付けられる,という危機感が蔓延する日銀では,「こんなにも日本中をくまなく調べて,日本国民一人ひとりの生活を真剣に考えている」ということをアピールすることで,世論を味方に付け議論の主導権を奪いたい,という狙いだ。
また,金融危機を経て,2009年11月にFSB(金融安定理事会)・IMF国際通貨基金)が公表した報告書「金融危機と情報ギャップ」も今回の対応に影響している模様だ。
この報告書で各国当局等は,危機に際し,より適切な情勢分析と対応が可能となるよう,平時から大量かつ網羅的なデータ・情報収集を行うことを勧告されている。
これに対し,「世界に先駆けてとんでもない量の,思いもよらないデータを収集することで,グローバルな議論をリードしたい」という意気込みも垣間見える。



そんな日銀が5月下旬に,調査対象個人に配布する予定の調査票は,全480ページ・5,000項目からなり,以下のような質問が延々と並んでいる。

  • 奇数と偶数ではどちらが好きですか
  • オーストラリアとオーストリアのどちらが好きですか
  • 少女時代とKARAではどちらが好きですか
  • 年よりも若く見られますか,老けて見られますか
  • オバマ大統領は政界引退後に福井県小浜市に住んだほうがいいと思いますか


こんな項目を調査して,金融政策上何の意味があるのか,という識者からの疑問の声に対しては「今は役に立ちそうにない項目でも,何かのときに役立つ可能性は否定できない」として,項目を変更する意思はないことを明らかにしている。


調査対象候補者には5月7日以降,調査員から電話がかかってくるという。
「回答に必要な時間は大体8時間くらい」(日銀)という膨大な作業に付き合ってくれる国民がどれくらいいるかは疑問だが,改正後第1回目の短観発表(7月2日予定)でどのような衝撃的な調査結果が公表されるのか,そしてその内容を金融市場がどれくらいの時間をかけて,どのように評価することになるのか,今から注目が必要だ。