東京都にまた「お買いもの構想」?

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尖閣諸島の購入構想を打ち出した東京都に,「尖閣の前に買うべきものがある」との声が相次いでいる。


尖閣諸島の購入をめぐっては,「遅々として進まない議論に一石を投じた」と評価する声がある一方で「遠く離れた自治体のやるべきことではない」との批判も根強い。
その批判の一つが「東京のアイデンティティや誇りのため,ほかに買うべきものがある」という議論だ。
ここでは,多くの識者が取り上げている2つの事例を紹介する。



埼玉県草加市
ここに,「東京銘菓」としてその地位を確立させた菓子「ひよ子」の生産工場がある。「ひよ子」はもともと福岡県で誕生した菓子だが,製造・販売を手掛けるひよこ本舗吉野堂が,東京に子会社として「株式会社東京ひよ子」を設立し,首都圏でも製造・販売を始めたところ,予想以上の売れ行きを示し,現在では「福岡銘菓」であると同時に「東京銘菓」でもあるという複雑な立場を生んでしまっている。
現在でも,東京から福岡への出張者がお土産に「ひよ子」を持参して現地でトラブルになるなどの事例が年間3,000件程度発生しているという(消費者庁による試算)。
このため,「東京都が福岡の本社を含めて買い取ってしまい,完全な東京銘菓としての地位を確定させるべき」「ついでに草加工場の敷地も東京都で購入して,微妙なモヤモヤ感を解消するべき」という意見が出ているものだ。
7日の定例記者会見でこの件について問われた石原都知事は「経緯は知らんが,あれは完全に東京の菓子だ」「福岡は他に明太子とかチロリアンとか,売るものはいろいろあるだろ」と発言,都での購入に前向きな姿勢を示した。
福岡県側が今後,どのような反応を示すかに注目が集まっている。


もう一つの現場は,千葉県袖ケ浦市にある「東京ドイツ村」だ。
千葉県にありながら「東京」を名乗るのはディズニーリゾートと同じながら,問題はその距離の違い。
GWなどに東京都心から車で向かうと,混雑のため到着まで5時間以上を要することもある。
このため,「東京から日帰りできなかった」「成田を経由すればむしろドイツの方が近い」などの苦情が相次いでいた。
東京都が買い取っても距離の問題は解消しないが,少なくとも「看板に偽りあり」という状態は解決できる。このため,千葉県の森田知事らが東京都に対して,買い取りかもしくは「ドイツ村」の東京都への飛び地編入を要請しているものだ。
ただ,東京都側は「東京の名を冠するためには,クオリティの高い施設であることが絶対条件」としており,在日ドイツ大使館のドイツ村への移転,外務省欧州局中東欧課分室の設置,園内レストランにおける発泡酒第三のビール類の提供禁止,リニューアル開園式典へのメルケル首相の出席等の条件を突きつけており,千葉県と霞が関を悩ませている。


限られた財源を有効に活用するためにも,金で解決できる問題・解決すべき問題は何なのかをきちんと見極めていくことが一層重要になりそうだ。