ノンアルコールブームに反旗−酒造メーカーの挑戦

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。

ノンアルコールブームが広がるなか,その流れに反旗を翻した酒造メーカーがある。


ビールなどのアルコール飲料消費が伸び悩む中,大変な健闘を見せているのがいわゆる「ノンアルコール飲料」分野だ。
ノンアルコールビールやカクテル,梅酒,ワインなどその裾野は急速に拡大。酒税がかからないのにアルコール飲料に近い価格設定ができるため,メーカーにとっての利幅も大きい超優良ジャンルと言える。


酒造メーカー各社がこうした分野に力を注ぐ中,ただ1社抵抗しているのが埼玉の酒造メーカー「斉藤酒造」だ。
同社の斉藤義信社長(63)は語る。
「ノンアルブームもいいが,これが行き過ぎるとそのうち『アルコール=害悪』という風潮が蔓延し,現在のタバコのように存在そのものを否定されることになりかねない。アルコールは人類が築いてきた文化であり,安易な風潮で絶やすわけにはいかない」
しかし,同社が手がける日本酒の分野も,低度数の商品が異例のヒットを飛ばすなど,ノンアルコール化への潮流に巻き込まれており,斉藤社長の熱い思いはなかなか消費者には伝わらない。
悩みに悩んだ同社が目を付けたのが,「新たなアルコール分野の開拓」だ。


日清食品と同社が業務提携して作った新商品が「カップヌードル エクストラワイルド」(7月1日発売)。
見た目は普通のカップヌードルだが,ふたを開けると,世界最高度数(96度)のウオッカとして知られる「スピリタス」が入った小袋が入っている。小袋を取り出して熱湯を注ぎ3分経ったら,好みの量のスピリタスを上からかけて食べる,という新しいスタイルの提案だ。
スピリタス Spirytus 96% 500ml
スピリタスを入れた瞬間,むせ返るようなアルコールの刺激臭が充満し,麺をすするたびに目も充血するという,極めてワイルドなカップヌードルだ。
日清食品では,「新たな成長の道を模索していくには,たまにはこんな冒険も必要になる」(広報部)とその開発・販売意図を説明している。


サカタのタネと提携して現在開発中なのが,「アルコール入り枝豆」だ。
品種改良により,豆の重量に対して10%程度のアルコールを含有する枝豆の試作に成功,来年夏を目途に広く市販していくことを計画している。
同社では,「アルコール入り枝豆とノンアルコールビールという,新たな定番の組合せも提案していきたい」と意気込んでいる。


大塚製薬と提携して発売が予定されているのが「ポカリスエット スーパードライ」。
言うまでもなく,アルコール入りのポカリスエットだ。
「スポーツドリンクの健康的なイメージとアルコールの不健康なイメージを昇華させることで,新たな飲料ジャンルが出来るかもしれない」と同社は期待してい
る。なお,「アルコール入りのため,運動時に摂取することは絶対止めてください」と消費者に注意喚起していく予定だ。


こうした数々の取組みがどのような成果を見せることになるのか,そしてノンアルコールブームに一石を投じることが出来るのか,今後注目が必要だ。