吉野家の国会議事堂内出店で思わぬ波紋

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牛丼でおなじみの吉野家の国会議事堂敷地内出店が,国会のあり方を揺るがしている。

ことの発端は,衆議院議院運営委員会理事会が6月7日,国会議事堂敷地内の土産物店等の並びに,吉野家の出店を認めたこと。
「専ら米国産牛肉を使う吉野家を国会に入れるとは何事だ」といった議論も国会内で出たが,本当に怒ったのは吉野家以外の外食チェーンや小売業界だ。
国会敷地内に出店できればブランドステータスの向上など,抜群の宣伝効果が期待できるだけに,「どうして吉野家だけに認めるのか」「不公平だ」とい不満の声が爆発。
本件が公表された後21日までに,衆議院に「モスバーガー」「俺のフレンチ」「ユニクロ」「アカチャンホンポ」など,830件もの出店申請がなされる異常事態となった。


困惑した衆議院事務局からは「この際,吉野家出店を取り消して事態を収拾させる」という案も出たものの,「国会の信用に関わる」として否定された。


そうした混迷が続くなか,25日の議院運営委員会で委員から出てきたアイデアが「国会の全国キャラバン」案だ。
近年の政治・行政の最重要キーワードは「地域重視」。
議院運営委員会の案は,「衆参両院は国会議事堂を出て,月替わりで全国各地の公共施設やイベント施設等を転々とする」というもの。
これにより,ガラガラになった国会議事堂内に希望する全てのテナントを出店させ,一方で全国のハコモノ施設の稼働率も高め,さらに各地域の実情を全議員が十分に知ったうえで国会審議が出来る,という「一石三鳥」の案だ。


この案が報道された26日,与野党問わず多くの議員が賛意を表明。こうした情勢を受けて安倍首相は28日,来年の通常国会から運用を開始すべく実務検討を進めるよう,関係各方面に指示を出した。


しかしこの動きに困惑したのが,出店申請を行ったばかりのテナント候補たち。「衆参両院が抜けた国会議事堂に出店しても何の意味もない」として,7月2日までに,ほぼ全てのテナントが申請を取消した。


この事態に今度は衆議院事務局が窮地に陥った。
「既に首相指示で国会の全国キャラバンが事実上決定しているなか,国会議事堂をガラガラにすることはできない」として,逆にテナント募集を開始。
そしてこれに応じたのが北欧インテリアで人気の「IKEA」だ。

IKEAは現在,日本国内で出店を加速,いずれも各地域で大人気となっている。しかし東京都心については,大型店舗を出店できる場所が少なく,また賃料も高いため,空白地帯となっていた。

そんななか,衆議院事務局が呈示した「議事堂一棟丸貸し」「長期賃貸契約で賃料大幅ディスカウントあり」という条件を見て飛びついた,という形だ。

IKEAは早速,自社ホームページ上に「IKEA国会議事堂店出店内定!」というニュースを掲載,議事堂の屋根を青,壁面を黄色というIKEAカラーに染めた出店想像図まで掲載している。

安倍首相と昭恵夫人は現在,公邸を嫌がって富ヶ谷の私邸に住み続けているが,このニュースを聞いた夫人は「IKEAが隣に出来るなら,公邸住まいもちょっといいかも」と心変わりを見せ始めているという。


一杯の牛丼が招いた国会の大激動がこの先,本当に実現することになるのかどうか,注目が必要だ。