「世界遺産甲子園」開催決定−初代王者はどこに?

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5月のユネスコ総会で開催が決定された「世界遺産世界一決定戦(日本での通称=”世界遺産甲子園”)」がいよいよ25日,開幕した。


世界遺産とは,ユネスコ総会で採択された「世界遺産条約」に基づき選定・登録されたもので,自然遺産・文化遺産などの分類がある。
日本では,先日の富士山の文化遺産登録決定が大きく報道されたが,全世界ベースでは既に約1,000件もの世界遺産が登録されている状況。このため,単に「世界遺産」というだけでは観光客が集まらなくなっており,世界各国の政府観光局を中心に対応策の検討が進められてきた。


その結果,世界80カ国の政府観光局が連名でユネスコに提案したのが「世界遺産間の競争原理の導入」だ。
ユネスコ側も,登録後に当初の景観や環境を維持できない「不良世界遺産」が増加していることを問題視していたため,この提案に即座に乗ることを決めた。


そして関係者間の協議により,具体的な手法として決定されたのが,トーナメント方式による「世界一の世界遺産」決定戦だ。


この「世界遺産甲子園」,ルールは極めてシンプルだ。
それぞれの世界遺産の地元住民代表が15名でチームを結成(うちレギュラー9名,補欠6名),対戦相手となる世界遺産を訪問し,その偉容にどれくらい心を動かされたかを,審判員が持参する「うそ発見器」により測定。レギュラー9名の数値を合計し,より相手方の世界遺産に心を動かされたチームが負けとなる。レギュラーメンバーで勝負が付かない場合には,補欠選手同士のサドンデス方式の対戦で勝敗が決まる。


早速,今月11日,世界各国の世界遺産元代表者ら約8千名が出席して「トーナメント組合せ抽選会」が実施された。
今後,世界遺産登録が有力視される先を「21世紀枠」で出場させるため,総参加チームは1,024に上る。
Aシードに選出された優勝候補チームはペルーのマチュピチュ遺跡,中国の九寨溝,フランスのモン・サン・ミシェル,トルコのカッパドキア,オーストラリアのグレート・バリア・リーフなど全部で24チーム。日本からは唯一,知床半島がBシードの一角に食い込んだ。

抽選会が進み,日本各地の世界遺産チームの対戦相手が続々と決まり,会場からは悲喜こもごもの声があがった。
1回戦でいきなりAシードの米国・グランドキャニオンとの対戦が決まった島根県石見銀山チームは暗い表情。主将の斉藤正志さん(58)は,「苦戦は必至だが,いぶし銀の意地をみせてやりたい」と意気込みを語った。


兵庫県の姫路城は,対戦相手がペルー・ナスカの地上絵に決まった瞬間,全員があきらめの表情に。関係者は「スケールではかなわないが,美しさで少しでもペルー人の心を動かしてみたい」と小声でつぶやいた。
一方,広島の厳島神社チームは,対戦相手にブルガリアの「リラ修道院が決まった瞬間,「全然知らないな」「これはもらった」とニンマリ。日本では極めて知名度が低い相手だけに「勝てるのでは」という空気が広がったが,「初めて見るからこそ,強く心を動かされてしまうことはよくある」と,主将の中川仁朗さん(68)は引き締めに懸命だ。

なお,日本人期待の富士山は,タンザニアキリマンジャロとの「山岳対決」が決まった。「高さでは負けるが,形で勝負だ」と陣営は勝利に向けて気合を入れる。


1,000試合を超える世界遺産同士のつぶし合いを経て,決勝戦が開催されるのは来年2月2日の予定。この闘いが社会的にどれくらいの注目を集め,観光客の集客にどう影響するのか,注目が必要だ。