熊谷市,「暑さ日本一」奪回へ動き出す

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4日連続で最高気温が40度を超え,今や「暑さ日本一」の称号を不動のものとした感のある高知県四万十市。この事態を受け,長らく日本一の座に君臨してきた埼玉県熊谷市が,王座奪回に向け動き出した。


四万十市は,高知県南西部の太平洋沿岸から山間までのバラエティに富む地域を擁する人口約3万5千人の街。フジテレビのドラマ「遅咲きのヒマワリ−ボクの人生,リニューアル」の舞台にもなった,風光明媚な地方都市だ。
一方の熊谷市は,「海無し県」埼玉の北部に位置する内陸型都市。ダンプ松本ブラザートム(旧芸名=小柳トムなどの一流タレントを輩出し,埼玉三大銘菓の一つ「五家宝」の産地であり,またあの「熊谷うちわ祭」でも知られる,人口20万人の大都市だ。

そんな熊谷市の誇りの一つが,「日本一暑い街」という称号だったが,それを奪われた今,気のせいか,市内にはやや冷めた空気が漂っている。
「このムードをなんとかせねば」と決断したのは,熊谷市の富岡清市長だ。
熊谷市で記録された過去最高気温は40.9度,これに対し四万十市が持つ日本記録は41.0度で,その差はわずか0.1度。
「これくらいの差であれば,気合で逆転できるはず」として,市長は20日熊谷市ホームページ内の「市長の部屋」で,日本一奪回に向けた「船中八策」ならぬ「熱中八策」を発表した。

「熱中八策」の概要は以下のとおり。

(1)熱湯攻め
熊谷の気温を測定している熊谷地方気象台熊谷市桜町)の周囲に,熱湯が循環するパイプラインを設置して気温を上げるという策。熱湯は,気象台周辺の住宅500軒の屋根に太陽熱温水器を設置することで確保する。

(2)暑さを生かした企業施設誘致
日本企業が今後進出するアジア・アフリカ・中南米等の新興国はいずれも暑さが厳しい地域。こうした地域に派遣される社員の「暑さ慣れ」」のための訓練施設を集中的に誘致し,これにより人口密度を上げて気温を上げる。

(3)気象台ラッピング
気象台および周辺エリア全体に,巨大なサランラップをふんわりとかぶせて,地表で熱せられた空気が上空に逃げないようにブロックする。

(4)市街地・公道でのバーベキュー解禁
気象台周辺の公道上などでのバーベキューを解禁し,備長炭の熱量で気温を上げる。

(5)お祭り改革
「熊谷うちわ祭り」を,来年から「熊谷火祭り」に変更し,さらに熱気を高める。

(6)冷やし中華禁止
夏の定番,冷やし中華をはじめとする冷たいメニューを飲食店で提供することを禁止し,熱々の料理で市民の体温を上げるとともに,調理で生じる湯気を市内に放出する。

(7)蒸気機関車の復活
熊谷市内を走る鉄道は全て蒸気機関車に牽引させる。上越新幹線も市内に限り,蒸気機関車を連結して運行する。

(8)住民税の課税標準見直し
体重が増えるほど住民税が軽減されるように課税標準を見直し,「見た目にも暑苦しい熊谷」を実現させる。


市長の試算によれば,以上の施策が全て成功した場合,自然気温+20度を達成することが見込まれ,その場合には日本記録どころか,世界記録である58.8度越えも視野に入ってくる。
市民からは「人間が暮らせる環境ではなくなる」「そこまでして記録にこだわる必要があるのか」等,多数の反対意見が寄せられているが,市長は「特色のある街づくりがなければこの時代は生き残れない」として,あくまで理解を求めていく構えだ。


一方の四万十市は,「王者たる者はドタバタしない」(市役所総務課)と静観するが,熊谷市同様に40.9度の最高気温記録を持つ岐阜県多治見市は「負けてられない」と,市民によるNPOが活動を始めた模様だ。


日本一の暑さを賭けた,三つ巴の熱い戦いが始まろうとしている。