「セルフサービス革命」始まる−労働力不足対策で

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。


景気回復と,若年層を中心とする人口減少が,様々な業界で労働力不足問題を顕在化させつつある。
この厳しいハードルを乗り越えるべく,各企業の苦闘が始まっているが,いずれにおいてもキーワードとなっているのが顧客・利用者による「セルフサービス」の徹底活用だ。
そんな各社の取組みを追った。


労働力不足問題の象徴的存在とも言える牛丼チェーンの「すき家」。
労働条件の厳しさ等からパート・アルバイトへの応募者が急減し,深夜を中心に営業休止を余儀なくされる店舗が続出している。こうした問題に対応すべく,同社が試行的に都内10店舗で開始したのが「完全セルフサービス店舗」だ。
板橋区成増駅前店に入ると,メニューが「牛丼」「カレー」の2種類だけに絞られていることに気付く。そして使い捨てタイプのどんぶり・割り箸・スプーン,保温ジャーに入ったごはん,牛丼の具の寸胴,カレールーの寸胴が入口から順に並んでいる。
利用者は,器にまずご飯を好きな量だけ取って計量,その上に牛丼の具またはカレーをかけて,再度計量すると料金が表示されるので,クレジットカードで決済し,店内で食べるか持ち帰るかするという仕組みだ。
店内には監視カメラが多数設置されており,例えば店内で食べたが片付けないまま去ってしまうと,「迷惑料」として300円がクレジットカードから引き落とされる仕組みになっているという。
カード決済により店内から現金が消えるため,頻発していた強盗問題も解決され,店舗運営に要するのは1日数回の食材補充と簡単な清掃のみ。
現時点では「牛丼で肉ばかりをすくい上げる客が多いため,時間帯によっては玉ねぎのみの牛丼になってしまう」等の課題はあるものの,「いずれも解決可能なものばかりであり,いずれは全店舗をこのスタイルに切替えたい」と同社幹部は意気込む。


JR東海が来春からの開始を目指して準備しているのが「セルフサービス新幹線」だ。

運転士,車内販売,車掌,車内清掃員等を乗客から抽選で選び,それぞれの役割を担ってもらい,無事ミッションを完遂した乗客には運賃の割戻しを行う,という仕組みだ。
最も注目を集めているのが,「素人に新幹線が運転できるのか」という点。この点についてJR東海は「新幹線は高水準の運転自動化が進んでおり,数重の安全装置も備わっているので,本当は無人でも問題ないくらい」と自信を見せる。全国の鉄道マニアからは既に「抽選ではなく,運転の権利を直接購入することはできないのか」等の問い合わせが殺到しているという。
一方で複雑なのは,子どもの人気職業ランクで常に上位に入る,現役の新幹線運転士たちだ。このサービスが導入されれば職種転換を余儀なくされるうえ,「実は誰でも運転できる」とまで言われては,プライドの問題となる。
生き残りがかかるだけに,「今後は,素人には絶対にまねできない,完璧で芸術的な運転技術を乗客に見せつけてやります」と,現役運転士たちは決意を固めている。
この取組には,深刻なパイロット不足に悩む航空業界も注目しており,様々なハードルを乗り越えられれば「乗客自身によるセルフサービスフライト」が実現する可能性もあるという。


そのほか,医師不足に対処するための「セルフ診察」「セルフ手術」,建築技術者不足に対応するための「セルフ建設タワーマンションなど,意欲的とも無謀とも解釈できる検討が各方面で進行中だという。


こうした各企業の努力に,安倍首相は「自分のことは自分でやる,という考え方は,道義的にも正しい」と前向きに評価したが,「国防も同じです」と付言したため,「集団的自衛権を正当化しようとしているのか」「国防の究極のセルフサービスの姿である徴兵制を念頭に置いているのでは」等の憶測を呼んでいる。

こうした風潮がどう展開していくのか,注目が必要だ。