「何かの日本一」目指す−3市長,決意表明


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大津(滋賀県),津(三重県),松山(愛媛県)の3市長の決断が20日,明らかになった。
この日,大津市の越直美市長,津市の前葉泰幸市長,松山市野志克仁市長の3名が共同記者会見をj実施,それぞれの市が「何かの日本一」の座を目指して共闘する方針を表明した。


3市に共通するのは,総務省が実施している家計調査の品目別消費額において,食品分野における全国1位の項目が存在しないことだ(「2人以上の世帯」2011〜2013年平均値による)。


総務省の家計調査は,食品だけで200種類以上に上る膨大な数の支出項目についての調査がなされており,また都道府県所在地・政令指定都市別のデータも公表されていることから,各地の「街おこし」や「ふるさと自慢」の根拠とされる例が多い。近年では宇都宮市浜松市の間で繰り広げられている「ギョウザ日本一」対決が有名だ。
調査項目が多岐にわたる分,ほとんどの都市は何らかの項目で「日本一」の座を確保している。
たとえば山形市は,「果物消費額」「こんにゃく消費額」「食塩消費額」「しょうゆ消費額」など数々の日本一タイトルを保有している。何の特徴もなさそうな「さいたま市」ですら,「ドレッシング消費額日本一」の座を確保している。

こうした中,食品関連項目で何一つ日本一の座を得ていないのが上述の3市だ。
地域活性化が叫ばれる中,際立った特徴がないことに危機感を抱いた3市の市長が,相互研鑽に励みながら何らかの日本一の座を獲得すべく,タッグを組んだというわけだ。
基本的にはそれぞれが独自に取り組むが,日本一を狙う項目が重ならないよう,お互いの目標項目を調整していくことになるという。


この3市で最も早く,日本一の座をゲットしそうなのは松山市だと見られている。
もともと観光地として有名であるうえに,家計調査でも2位,3位に付けている項目が多数あり,「なぜ1位がないのか」と逆に不思議がられるくらい。
松山市は,早ければこの8月調査での日本一獲得を目指すべく,全国2位の「合いびき肉」(1位は鳥取市)の消費拡大を強く市民に訴えていく予定だ。
「将来的にはミカンと温泉とハンバーグの街,と呼ばれたい」と野志市長は熱く語る。


一方,大津市と津市にとっては,日本一の座はなかなかハードルの高い課題だ。
大津市は牛肉消費額で全国3位,コロッケ,うなぎの蒲焼消費額がいずれも6位など,有力なポジションにつけている項目は少なくないものの,1位に肉薄するものが少ないのが難点となっている。
越市長は「1位との差が比較的小さく,またライバルが同じ近畿圏にいること」を条件として候補項目を絞り込んだ結果,8月から市民全員に「マーガリンの消費徹底拡大」を訴えていくことを決断した。
大津市のマーガリン消費量は年間1,580gで全国4位ながら,1位との差がわずか46gに過ぎないうえ,上位3都市が奈良・京都・堺と近隣であり,市民がライバル意識をもって取り組める,というのが理由だ。
しかし市民の間では「マーガリン消費量日本一の町,と言われても特に嬉しくない」と評判は芳しくなく,市民をどう説得していくのか,市長のリーダーシップが試されることになりそうだ。

津市もまた,ソーセージ消費額で全国5位などの位置に付けているが,全国1位との差は非常に大きく,日本一の座の獲得は相当な難題だと考えられている。
そうした中,同市がターゲットとして絞り込んだのがバナナの消費量だ。
全国5位(年間22kg消費)というポジションながら,1位である大阪・堺市との差は僅差(1kg)であり,市長は「全市民を挙げて『毎日10本バナナを食べよう』運動を展開してぶっちぎりの日本一を目指したい」と語っている。
この動きに対してはしかし,「バナナのたたき売り発祥の地」と言われる門司港を擁する北九州市が「バナナ1位の座は当市が奪取する」と「待った」をかける形になっている。
津市民と北九州市民がプライドをかけて,バナナを限界まで食べ続ける光景が実現するのかどうか,そして王者・堺市民がこれにどう対応するのか,注目されるところだ。

こうした動きに,「炭酸飲料消費日本一」などのタイトルを有する青森市民らは「日本一だからといって何もいいことはないのに」と冷ややかな視線を送っている。調査を担っている総務省統計局も「あまりデータを気にしすぎるのもいかがなものか」と困惑気味だが,3人の市長の決意は揺るがない。


今後の家計調査結果における合いびき肉,マーガリン,バナナの消費動向から目が離せない。