国家戦略特区に日本相撲協会が参入


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政府と東京都は25日,日本相撲協会の要請を受け,東京都の「国家戦略特区」対象エリアに,両国国技館がある墨田区を追加することを決定した。


「国家戦略特区」はアベノミクス「第3の矢」の重要な施策として位置づけられており,全国で東京都を含む6区域が指定されている。
しかし,具体的に何を行うかはこれから,という状況であり,特に東京都については周囲からの期待が大きい分,都庁としても何を目玉にするかが悩みの種となっていた。
また政府にしても,政権の力強さを示せる新たな施策を早急に打ち出して,金融市場の期待を壊さないようにする必要に迫られている。
そうした都庁,政府の悩みに,日本相撲協会が抱える問題をぶつけた結果,思いもよらない一手が出てくることとなった。


今回,墨田区における「特区」の取組みの目玉となるのが,両国国技館で開催される大相撲初場所夏場所秋場所の3場所における相撲ルールの大幅変更の試行。
伝統と格式を重んじる角界では考えられないような大胆なルール変更で観客の大幅増を実現させ,墨田区経済の活性化につなげようというものだ。
この取組みは一切の法改正や税制優遇なしで実現できるため,本来「特区」事業として行う必然性はないが,伝統が長い分,反対勢力も多数いることから,「特区」という錦の御旗を借りることで実現させるという。


しかし,協会による今回の取組みの真の目的は,墨田区経済の活性化にとどまるものではない。
様々な新ルールを試行的に適用しながら,日本出身力士に有利なルールを発見してこれを恒久化し,久しぶりの優勝を実現させたい,という狙いもあると見られている。


大相撲界では近年,モンゴル出身者をはじめとする外国出身力士の活躍が目立っており,日本出身力士の優勝は2006年初場所栃東以降,途絶えている(日本国籍力士としては2012年に旭天鵬の優勝あり)。
外国出身力士も研鑽を積み,ファンの心を掴んでおり,角界に多大な貢献をしているのは事実であるが,「たまには日本出身力士の優勝や,横綱昇進を見たい」という声もまた大事にしたいところ。
こうした実情を踏まえ,対象を年6場所のうち東京開催の3場所に限定し,向こう3年間の試行という位置付けで,千秋楽まで15日の開催期間中,日替わりで新ルールを導入し,日本出身力士とそのルールの相性を検証していくことを意図している模様だ。



現時点で検討されている試案によれば,初日用の新ルールは「大型土俵での取組み」だ。
現在の土俵の直径は4.5m強と意外に小さく,小兵力士は大型力士の一撃で簡単に突き出されてしまう。今回の施行では,その直径を8mにまで拡大,自由自在に動き回れる力士に有利になるかどうかを検証するという。
2日目のルールは「ダブルス相撲」。
8mの大型土俵をそのまま活かす形で,史上初のダブルス相撲(各チーム2名,計4名の力士が対戦)を実現させるというもの。鍵となるのは誰と誰がペアを組むかというもので,協会では「ペアについては番付編成会議が勝手に決めるのではなく,力士の自主性を重んじて自由に決めさせる」という方向で検討している模様だ。
3日目以降はまだこれから検討が進む模様ながら,「尻相撲」「指相撲」など,ほとんど宴会芸のような新ルール実施が検討されているほか,「銃刀法に違反しない範囲での武器持込自由」という過激なルールまでまじめに議論されているという。


特区の目玉が早く欲しい東京都,また新たな「岩盤」を壊したという実績が欲しい政府,そして日本出身力士を優勝させたい協会の三者三様の思惑が一致した結果,この検討は思いのほか早く進んでおり,今年9月の秋場所から適用される可能性が高いという。
そうしたなか,検討作業で蚊帳の外に置かれた形となった現役力士たちは「俺たちに何の相談も無く勝手にルールを変えるとは」「まわし姿で指相撲をさせるなんてどうかしてるぜ」などと強く反発している。


力士たちの反発が勝り,結局,普段どおりの秋場所が開催されるのか,それとも「鶴竜安美錦VS大砂嵐&豊ノ島」という対戦が実現することになってしまうのか,秋場所の行方から目が離せない。