広がる「ちょい飲み」ビジネス−首相官邸なども新規参入

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いわゆる「ちょい飲み」ブームに,様々な新規参入者が現れている。


「ちょい飲み」とは,一般的には概ね1時間以内,アルコール飲料1〜2杯程度の軽い飲み会を飲食店で行うことを指し,短時間でコミュニケーションを深める手軽な場として広がってきている。
アルコール類の売上げ増等による増収効果が大きいことから,おつまみやアルコール類の品揃えを強化する飲食店が増加してきている。「吉飲み」と呼ばれる,牛丼の吉野家でのちょい飲みなどが有名だ。


飲食業界外からの「ちょい飲み」参入も相次いでいる。
白金台の人気ヘアサロン「フランチェスカ」では昨年10月から,来店客の待ち時間用の有料サービスとして各種ワインやピンチョスなどの軽食提供を始めている。
平均客単価が1,000円程度上昇したほか,ほろ酔いで上機嫌になり,仕上がりに文句を付ける客も減少するなど,様々なプラス効果が表れているという。


そうしたなか今注目を集めているのが,首相官邸の敷地内テントに今月28日にオープンした「ちょい飲み処 あべちゃん」だ。
衆院選では大勝したものの,国民の目線が冷めてしまっていることを気にした安倍首相が「ざっくばらんな国民との意見交換の場を作って,政治に対する関心と信頼を回復させたい」と発案,実行を命じたものだ。
オープン当日には物珍しさから,午後4時30分の開店前に30人の行列ができた。
「万が一にも未成年者にアルコールを出したり,客が帰路で飲酒運転したりすれば,政権崩壊につながりかねない」という首相周辺の危機感から,「あべちゃん」入口前ではパスポートもしくは運転免許証による厳重な本人確認が行われるほか,退店後の客の帰宅手段を確かめるため,店を出た客一人一人を,私服刑事らしい人物がマンツーマンで尾行する光景も見られた。
そうした堅苦しさがある一方で,家族からの「いったいどこを飲み歩いているのか」というクレームの電話などに対しては,官邸スタッフが「ご家族は現在,首相官邸に滞在されています」と応答してくれるほか,「官邸滞在証明書」まで発行してくれるとあり,連日の飲み会で家庭が冷戦状態にあるサラリーマンにとっては,ありがたい援軍となっている模様だ。
肝心のメニューは,「三本の矢」にちなんだ「三本のもろきゅう」「三本のチョリソー」など,悪ふざけ気味のものが中心だが,価格は200円前後とリーズナブルだ。


三権分立上,官邸だけが突出するのは問題がある」として,同様のちょい飲みビジネス参入を決めたのが東京・千代田区にある最高裁判所だ。
「最高を名乗る以上,司法の威信をかけて最高の『ちょい飲み』を提供したい」と,運営を担当する同裁判所総務局は意気込んでおり,既にメニュー検討が進んでいる模様だ。
単価500円未満のメニューについては和風・洋風・中華風の種類ごとに5名の判事で構成する小法廷が,また500円以上の高価格帯メニューについては15名の判事全員が参加する大法廷で,採用の是非を決定するという。
総務局では原材料を国産品に限定したメニューを想定していたが,一部の判事から「法律上何の問題もない輸入食品を一方的に排除するのは,違憲ではないか」という最高裁ならではの議論も出ている模様だ。
ちょい飲みサロン「グランドコート」は,裁判が終了した平日夜18時から21時まで,最高裁大法廷を開放して立ち飲み形式で営業される予定だという。裁判官席や被告人席など人気の席はテーブルチャージ1,000円が別途必要だ。



これら以外でも,「飲みすぎの客に大量放水を浴びせるお仕置き」を売りとする東京消防庁,実戦形式のスパーリングで1ラウンドを終えてコーナーに戻るたびビールを飲ませるボクシングジム(注)など,新たなちょい飲みサービスがまだまだ拡大中だ。
(注)このような行為は健康上著しい危険をもたらしますので,絶対に行わないようお願いします。


日本経済に「酒は百薬の長」的効果をもたらすのか,それとも「悪酔い」に終わってしまうのか,注目が必要だ。