日本中のエスカレーター,年内撤去か−新型設備への入れ替えで

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駅やビル内での主要移動手段となっているエスカレーターが,早ければ今年中にも,日本中からいったん姿を消す可能性があることが分かった。業界団体である一般社団法人・日本エレベータ協会の幹部が明らかにした。



近年,エスカレーターをめぐる最大の話題となっているのが「エスカレーター上の歩行禁止」ルール(2列利用ルール)の導入だ。
もともと急ぐ人のためにエスカレーターの片側を空ける,というのが長年のマナーとして定着しているが,急いで昇降する人が立っている利用者にぶつかり転倒事故を引き起こすことがあるなど,危険性があることが以前から指摘されてきた。そうしたリスクを踏まえ,近時「エスカレーター内歩行禁止」を呼びかける駅やビルが増えている。
しかし長年の習慣はなかなか変えられないせいか,「2列利用」を遵守する利用者と,急いでいる利用者との間でのトラブルが多発。同協会には全国から「歩行禁止ルールを徹底するのか,それとも撤廃するのか,はっきりしてほしい」という苦情が相次いでいるという。

同協会では今後の対応をめぐり,理事会で「エスカレーターとは何なのか,その存在意義にまで遡って改めて問い直す必要がある」といった根本に遡った議論を続けてきた。
その結果たどり着いたのが,「目的は利用者の安全姓と利便性の両立。ならば,利用者が走らなくても安全かつスピーディに移動できるエスカレーターを開発・導入するのが筋ではないか」という正論だ。
ただ,具体的な開発・導入については各県の協会での検討・判断に委ねられた。


いち早く方針を決めたのは新潟県エレベータ協会だ。従来型のエスカレーターをすべて撤去し,スキー場で利用されているリフトを代わりに導入する方針を全会一致で決定した。
リフトは,いったん乗れば到着まで座ったままであり事故リスクも小さく,またエスカレーターよりスピードを上げることができ,ペア型シートを使えば輸送量も十分確保できるとの判断だ。
20日には早速,新潟県庁内に実験用の仮設リフトが設けられ,供用が開始された。実際に乗った利用者からは「足をぶらぶらさせるのは解放感があって良い」という好評価がある一方,「鞄や靴を下に落としてしまった」「知らない人とペアシートに座るのは気まずい」等の意見も寄せられているという。
「まだまだ改善の余地はある」(県協会幹部)が,現時点で最も有望な対応策として,他県からの視察も相次いでいる模様だ。


岡山県エレベータ協会は,「立って乗るから将棋倒しなどのリスクがある」として,利用者全員が横たわった姿勢で運ばれるタイプのエスカレーター開発を進めている。
岡山市内の研究施設では22日,幅の狭い柵付きベッドが次々と階段状になって上っていく新型エスカレーターの試作品が披露され,見学者から歓声が上がった。しかし,エスカレーターから降りる場面で利用者がスムーズに立ち上がれず,続々と終点に送られてくる利用者が次々に寝ころんだまま折り重なるという醜態をさらした。
同協会ではパラマウントベッドフランスベッドなどの協力を得て,終点が近づくと自動的に上半身が起こされる機能を追加し,スムーズな乗降をサポートできないか検討しているという。


これら以外にも「ビル内に大型観覧車を入れてエスカレーターとエレベーターの機能を兼ね備えさせる」「いったん利用者全員を最上階まで大型エレベーターで一気に輸送し,目的階まではすべり台で下ってもらう」等のプランが各地で検討されている。
いずれも実験は順調に進んでおり,早ければ年内にも全国各地で,従来のエスカレーターを撤去して新型エスカレーターに置き換える工事が始まることになる。


オフイスビル内での移動でリフトや観覧車に乗ることが,安全性の面はもちろん,働く者の心理にどのような効果をもたらすことになるのか,注目が必要だ。