「1票の格差」問題,解消に向け大きく前進か


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解消の目処が一向に立たない,いわゆる「1票の格差」問題。中でも深刻な,参議院選区間の格差問題是正に向け,思い切ったプランが20日,動き出した。



1票の格差は,1議席当たりの有権者数の倍率により表されるのが一般的であり,参議院の場合は「神奈川選挙区 VS 鳥取選挙区」の格差がおよそ5倍に達するのが代表例だ。
これを解消するには,神奈川の議員定数を増やす,鳥取議員定数を減らすといった策が一般的であるが,具体的な各論になった途端,利害関係のある議員を中心に,議論が紛糾するのが常だ。


こうした事態に見切りをつけ,「われわれが解決策を提案する」と20日,合同記者会見したのが鳥取県の平井知事と,神奈川県の黒岩知事だ。
2人は会見で,「いつまでも格差が解消しない状況を,県民大移動により解消させる」という思い切った案を打ち出した。


具体的には,神奈川県内の有権者を数十万人規模で鳥取県に移住させることで,一票の格差を2倍以内に縮小させるという案だ。
試算では,概ね740万人とされる神奈川県の有権者のうち,35万人程度が鳥取県民となれば2倍以内に収まることになる
この35万人という数字は,横須賀市有権者数の合計にほぼ一致するものであり,同市民全員が鳥取県民になれば,少なくとも両県の間の格差問題は概ね解消されることとなる。
ただ,実際に同市民に鳥取県内への引越しを強要することは,憲法第22条(居住・移転の自由)に明らかに反するため,いわゆる「飛び地」制度により,横須賀市を行政上は鳥取県編入するというのが,今回両知事が提案したプランだ。


両知事がこうした大胆な提案をした本当の狙いは,「国会が決められなければ住民がしわ寄せを受ける」という強烈なアピールを行って,国会の議論を前に動かすこと。
ところが,両知事の読みは外れ,参議院与野党は一斉に「大変ありがたい提案」と大歓迎。
両知事は「国会議員としての矜持はどこに行ったのか」と嘆いたが後の祭りとなり,「一度口にしたことはやり遂げるのが信条」という両知事はやむなく,実際の編入に向けて動き出し始めている。



突然,「来年から皆さんは鳥取県民になります」と言われた横須賀市民はいずれも絶句状態。
鳥取自体は自然も人情も豊かな,いい地域だと思うが,だからと言って急に鳥取県民にされるのは…」と,困惑を隠さない。また,来年の参院選鳥取県選挙区から立候補を予定しているA氏は「選挙活動が分断されてしまい大変だ」と嘆く。
さらに,一部の横須賀市民は「人口がほぼ同じ藤沢市でもいいはず」「鳥つながり,ということで,横浜市鶴見区真鶴町鳥取県にしてはどうか」「砂まじりの茅ヶ崎…というサザンの歌にあるように,茅ヶ崎市の方が砂丘王国・鳥取にふさわしい」等と主張。
これに激昂した藤沢・茅ヶ崎両市議会が「横須賀市鳥取県への早期編入を求める決議」をいずれも満場一致で採択するなど,神奈川県内の市町村同士が一触即発のムードになりつつある。


一方,全く異なる反応を示す向きも少なくない。
高校野球の強豪として知られる東海大相模高校の校長は「横須賀市内への移転を今後検討する」とコメントしている。
全国有数の激戦区・神奈川ではなく,高校数が限られている鳥取県からの出場を目指すのが得策だという判断だ。
ただ,移転が実現した場合,校名を「東海大鳥取横須賀高校」と改名予定だという。「渋谷教育学園幕張高校」や「明大中野八王子高校」並みに混乱しそうな校名に,生徒も不安の色を隠さない。


なお,当の鳥取県民は「都会への足掛かりができる」「日本海と太平洋の両方にアクセスできる」「スタバの数が一気に増える」等,その視点は様々だが,総じて歓迎ムードだ。


24日には早くも歓迎の意味を込めて,鳥取砂丘の砂を満載したダンプカー5台が出発,横須賀市内で砂を撒いて鳥取県編入を祝う予定だという。


このままスムーズに横須賀市鳥取県編入されることになるのか,それとも土壇場で藤沢市茅ヶ崎市が逆転を食らうのか,神奈川県民は固唾をのんで見守っている。