フェイスブック「超いいね!」ボタン追加で変わる日本企業

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全世界で15億人が利用しているSNS最大手・フェイスブックが,「いいね!」以外のリアクションボタンを導入したことが契機となり,日本のビジネスシーンが大きく変わり始めている。



フェイスブックが日本版で新たに導入したボタンは「超いいね!」「うけるね」「すごいね」「悲しいね」「ひどいね」の5種類。リアクションのニュアンスをきちんと伝えたいというユーザーの要望が反映されることとなった。
この変更が,わが国の代表的意思決定システムである「稟議書制度」にも大きな影響を与え始めている。


稟議書制度は,意思決定に関与する権限者に対して紙ベースもしくは電子ベースで順次承認を求めていき,最終権限者の承認をもって決定する仕組み。
実際の検討過程では様々な議論がなされ,その結果原案が修正される等の紆余曲折が無数にあるものの,最終的な稟議書には,関係者の承認印が淡々と並ぶだけのものとなっている。
こうした仕組みについて,稟議書に承認印を押すビジネスマンらは「もう少し,積極的に賛成したのか,やむを得ず承認したのか等のニュアンスを伝えたい」という思いが強く,人によっては「消極的賛成」のニュアンスを伝えるためにわざわざ印鑑を上下逆様にして押印する等の「ささやかな抵抗」を示していた。
そうしたなかでの今回のフェイスブックの決定を受け,「同様の工夫が稟議書でもできるはず」というムードが強まり,様々な動きが起こっている。



2012年に電子稟議決裁システムを導入した大手総合商社では,新年度から承認ボタンに「大賛成」「賛成」「小賛成」「他の関係者に一任」という4種類を設けることを決定,この1月から試行的な導入を実施している。
しかし,試行の結果,関係者全員が「他の関係者に一任」ボタンを押すケースが発生するなどの想定外の事態が頻発しているほか,発議者自身が「小賛成」であるケースまで発生,ボタンの種類および運用ルールの見直しを進める必要が生じているという。
今のところ4月に予定どおり導入する方針は不変であるが,社内では「関係者全員にそれぞれ,100点満点で何点くらい賛成できるかを入力してもらって,平均点80点以上で承認,ということにしてはどうか」という新たな提案が出るなど,道のりは穏やかではない。



印鑑販売大手の庚申堂では1月から,「気持ちの伝わる印鑑シリーズ」を発売し,好調な滑り出しを記録している。
これは,紙ベースの稟議書を採用している企業の社員向けに,承認のニュアンスの違いを表す10本セットの印鑑を販売するもの。人口減少で今後の印鑑の売上減少が不可避とみられるなか,新たな需要開拓により大幅に売り上げを伸ばそうという作戦だ。
オーダーメイド制であるため,10本の印鑑のデザインは自由自在。自身の表情を様々に変えた似顔絵10本セットを依頼する客や,「快晴」「晴れ」「雨」「地吹雪」など天気記号で気持ちを表す印鑑を作る客など様々だ。



これからは,回付されてきた稟議書に押された印影等をじっくりと眺めたうえで判断すべき時代になりそうだ。