「幼児に内々定を」−首相の新方針に各方面で混乱

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安倍首相が17日の衆院予算委員会で言明した新たな方針に,経済界をはじめとする各方面に困惑と混乱が広がっている。



この答弁は,民主党議員からの「いつまでも経済が立ち直らないのは,国民の将来に対する不安,懸念を払底できない現政権に責任がある」という指摘に対してなされたもの。
首相は,現政権のこれまでの実績を誇示したうえで,新たな施策として「就学前後の幼児や児童に対し,十数年後の採用を約束する『超早期内々定制度』の導入を各企業に働きかけていき,子供を持つ家庭の将来に対する見通しを立てやすくしたい」と述べた。



経済界にとっては全く寝耳に水の話に,日本経団連は呆然とするばかりだ。
19日に開催された会合では,出席した会員企業から「10年後の自社がどうなっているかも分からないのに,十数年後の入社予定者を決めるのは不可能」「幼児の段階で何をポイントに採用可否を決めればよいのか」等々,今回の方針に対する激しい不満が爆発した。



また,文部科学省にも全国の学校法人等から「就学前から就職先が決まっていると全然勉強しなくなる」「視野の狭い子供ばかりになる」などの反対意見が続々と寄せられている模様だ。



しかし首相官邸では,「こうした批判は想定の範囲内」(官邸首脳)と冷静に見ている。
官邸としては,超早期の内々定を出させることにより,子供を持つ親の将来への不安を払拭させるとともに,「企業側はより超長期で見た経営戦略を真剣に考えざるを得なくなり,わが国の成長戦略上プラスに働く」「就学期間中の学生たちは,自分が何を学ばなければならないかが明確になるので反って真剣に勉強するはず」との確信のもと,あくまでこの方針を実現させる構えだ。



20日,視察のため東京・豊洲にある「キッザニア東京」を訪問した安倍首相は「こういう施設は,子供たちが自分の将来を考えるうえで非常に有用だ」と高く評価したうえで,スポンサーとして出展している各企業に対しては「ここで職業体験をしている子供たちの様子を見て,自社業務への適性を判定して内々定を出せるのではないか」と,決断を促した。


こうした進め方に対して,財界の一部では「そこまで言うなら,まず自民党が20年後の衆院参院選の公認候補を内定してみればいい」とささやく向きもあるが,「そんなことをすると二世・三世議員ばかりになってしまう」という声も一方で出ている模様だ。



21日,首相発言を受けて,「ウチの子に内々定を」と,通常の5倍の入場希望者が押し寄せてきた「キッザニア東京」「キッザニア甲子園」では,混乱を鎮静化させるべく,スタッフがハンドマイクで懸命に「職業体験しても,内々定は一切出ません」と叫んで回った。
しかし,一部のアクティビティで係員が子供に対して語りかけた「君は本当にこの仕事に向いているね」という言葉が「事実上の内々定」と早合点され大混乱を招くなど,施設運営に深刻な支障が生じる事態となっている。



解禁日が毎年変わるなど,ただでさえ揺れ動く就職活動に,また大きな波乱要因が加わることになり,関係者の苦悩は当分続きそうだ。