ドローン,企業内での活用本格化 ― 広がる活躍の場

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。



日本生産性本部が毎年発表している「新入社員の特徴」で,「ドローン型」と評された今年の新社会人たち。
そんな新人たちを意識したわけではないが,このところ企業が業務面でドローンを本格的に活用する動きが目立ち始めている。
高所撮影や宅配だけではない,そんなドローンの本格活用の現場を紹介する。



多忙な経営幹部の貴重な時間管理のためにドローンを活用し始めたのはA社。
同社は急速な業容の拡大により役員が多忙を極めており,取引先対応や内部会議等が15分刻みでぎっしり詰まる状況が常態化している。このため,前の予定が長引くと次の予定に響く,という「スケジュール渋滞」現象が頻繁に発生していた。
それぞれの役員も「早く切り上げないと」と焦りながらも,重要な来客対応を自ら途中で打ち切ることも難しいといった悩みを抱えていた。
そうしたところに導入されたのが「ドローン移動」だ。次の予定の3分前になると,役員がいる場所にドローンが飛んできて,有無を言わさず頭部をUFOキャッチャーのように鷲掴みにして,次のスケジュールの現場に急速移動させるというものだ。
A社では本部機能が都内のビル5か所に分散しているため,ドローンはビル間のスムーズな移動にも力を発揮している。

この仕組みが導入された4月下旬,朝から夜まで計25ものスケジュールが詰まっていた同社社長は計24回,ドローンに頭を掴まれて移動する経験をし,「便利な気もするが,移動中に周囲から指を差されて笑われるのが嫌だ」「背筋が伸びたような気がする」といった感想を漏らした。
いずれにしても,社員からは「役員がスケジュール通りに動いてくれるので助かる」と高く評価されている。



B社では,昨年12月以降の人事異動でドローンの活用を開始している。
事前予告もなく突然,中低音の羽音を響かせながらオフィス内にやや大型のドローンが入ってきて,異動対象者の頭部を鷲掴みすると,そのまま異動先に連れて行く,という方式だ。今年2月の人事異動ではこの方式で計250名が新たな職場に移った。
同社人事部では,「良い意味での社内の緊張感を保つために導入した」「予告もなく突然異動するので,不正や癒着の予防にも役立つ」「転勤旅費の節減にもつながる」としている。
異動させられた当人たちは「オフィスにドローンが入ってきたとき,誰の頭上で止まるのか皆で固唾をのんで見守った」「どの部署に連れて行かれるのか移動中は気が気でなかった」などとコメントしているが,現在ではそれぞれの新部署で期待通りの活躍を見せているという。
なお,一部の異動ではドローンのバッテリー切れにより,予定された異動先ではない部署に不時着した社員も数名いた模様だが,その新部署で予想もしなかった才能を発揮するケースも多いという。まさに「置かれた場所で咲きなさい」という金言が現実になった感がある。


今年2月には,東京からシンガポールへの異動者についても試験的に「ドローン異動」を試してみたが,移動に11日間も要し,またシンガポールに近づいたところで同国空軍機が緊急発進する事態となり,入国自体を拒否されたこと等から,当分の間は引き続き日本国内の異動のみが対象としていく模様だ。
B社向けに人事異動専用ドローンを製造・販売したC社では,「将来はグローバルな人事異動や急な海外出張にも対応できるよう,時速700km超で成層圏も飛行でき,また軍用機からの攻撃に対する防御機能も備えた高級機種も開発したい」としている。



社内のトラブル緩和にドローンが活躍するケースまで登場している。
人間がストレスを受けると分泌量が増加するといわれるホルモン「コルチゾール」の空気中濃度を測定しながら社内を飛び回り,一定のレベルを超える濃度の会議等を発見すると急行し,その場を和ませる,というものだ。
4月下旬のD社の応接室では,同社の重要取引先と担当者が面談していた。納入遅延にかかる激しい抗議を受け続けたD社の担当者が大量に発したコルチゾールをドローンが検知。応接室のドアを激しい勢いでぶち破って室内に突入すると,ドローン4大きくは揺らめきながら床近くにゆっくりと降り始めた。時々ドローンが発する,人間のうめき声のような音を聞いて取引先は,ドローンがドラマ「半沢直樹」の大和田常務による土下座のモノマネをしようとしていることを即座に理解。
取引先も「機械にまで謝られたらこれ以上怒りようが無くなる」と,怒りを収める結果となった。
激しい意見の対立で緊張感漂う大会議室に侵入,大音量で「世界で一つだけの花」を流し,かえってイライラを募らせて「うるさい!」と出席者からモノを投げつけられることもあるというが,全体としては社内業務の円滑化にいくばくかの貢献はしている模様だ。



このような活用方法がどこまで広がり,どのように企業や社員に貢献することになるのか,引き続き注目が必要だ。