ボブとビリーと雄山と中川の時事放談(2)+ビリーズ・クック・キャンプ(4)
於 美食倶楽部「ひなげしの間」
雄山 「ん?今日は時事放談とクックキャンプの同時開催なのか,ボブ?」
ボブ 「アルムおんじと呼べ」
中川 「で,今日の放談のテーマは何だ?」
アルムおんじ 「今日は皆も気になっていると思うが,サッポロ・ドラフトワンにあう食べ物『ドラフード』について考えよう」
雄山 「何?今週は当然,『石川遼君(ハニカミ王子)が通う杉並学院高校は今週が中間テストのはずなのに,3年の薗田峻輔君はプロツアーに出場してて大丈夫なのか』ということではないのか?」
ビリー 「まあそういう問題も確かに重要だが,ここで議論するような話じゃないだろう」
雄山 「ドラフードも同じようなもんだが・・・」
中川 「それにしても,これまでのドラフードは餃子,キムチ鍋,鶏の唐揚げ,ピザ,焼きそば・・・全く,当たり前すぎて全然面白くないな。今後どうするつもりなんだ」
ビリー 「今日は俺が第6号ドラフード認定候補の『枝豆』をまず調理するから,これとドラフトワンを楽しみながら議論を進めよう」
雄山 「よかろう。じゃあビリー,しばらく任せたぞ」
ハイみんな,ビリーだ!鍛えながら食っているかい?
「食べる前に飲む」,いや「食べる前に食う」,もとい「食べる前に痩せる」がモットーのこのキャンプも第4回目だ。
今日は手軽に作れるおつまみとしても人気で,栄養バランスもばっちりの「枝豆」だ!
冷凍モノも手軽で簡単だが,せっかくなのでイチから作ってみよう!
まだ旬の時期には早いからちょっと小ぶりだが,こんな奴を買ってきたぜ!
398円だ!これからはもっと安くなるぞ!
さあ,鞘をもぎ取るぞ!左手で枝を押さえて,右手で食べたい枝豆をもぎ取れ!もぎ取れ!もぎ取れ!もっと速く,もっと力強く!
全部もぎ取ったらボウルに移すんだ,そう,こんな感じだ!
軽く水洗いして,塩を振ってもみ洗いしよう!表面の産毛を落として食感を良くするために手を抜かず,リズム良く揉んで!
終わったら,枝豆の両端をハサミでカットしよう!茹でる時に味がしみやすくなるし,食べやすいぞ!
ここまで準備が終わるとこんな感じになってるはずだ!
さあ,いよいよ茹でに入ろう!適当に塩を入れた充分な量の熱湯に枝豆を投入だ!
大きいサイズなら5分くらいがいいが,今日は小さめだから4分程度で茹でよう!その間君は爪先立ちを続けろ!苦しいかもしれないが,熱湯の中で踊る枝豆よりは楽だぞ!
茹で上がったらすぐに冷水につけよう!すぐに熱々でいただくのもOKだが,時間を置く場合は色が変わるから,冷水で粗熱を取ってから塩水につけて冷蔵庫で保存しよう!ほどよい塩加減の枝豆がいつでも食べられるぞ!
今日はちょっと小料理屋風の器に盛り付けて完成だ!
VICTORY!
VICTORY!
VICTORY!!
さあ,議論再開だ!
アルムおんじ 「じゃあ,早速試してみるか」
雄山・中川・ビリー・アルムおんじ 「いただきます!・・・・・・ん?ちょっとこれは・・・イメージが違うな」
ビリー 「ドラフトワンって,今日初めて飲んだが,ほとんど水のようなBUD LIGHTよりも苦味もなくって,なんだかビールという感じが全然しないな」
アルムおんじ 「大昔,初めて発泡酒が登場した頃に飲んだサントリーの『ホップス』という銘柄に味が似ているな」
雄山 「初来日の割にはずいぶん日本の発泡酒事情に詳しいじゃないか,ボブ」
アルムおんじ 「アルムおんじと呼べ」
中川 「発泡酒や第3のビールは大きく分けると,『なるべくビールの味に近付けたい』というタイプと,『ちょっと違うジャンルの飲み物として売りたい』という2種類があって,キリン「淡麗」やアサヒ「本生」なんかは前者の典型だが,このドラフトワンは後者の代表格だ」
雄山 「枝豆はもともとビールのおつまみの代表格で,多くの人間の舌には『ビールと枝豆』の味の組み合わせが染み付いているはずだ。そんななかで,ビールとはずいぶん違う風味のドラフトワンと枝豆を合わせると,違和感を感じることになるのだろう」
ビリー 「なるほどね。これまでのドラフードは全部,強烈な味だが,別に絶対ビールじゃないと駄目だ!という必然性はないから,ドラフトワンでもOKなんだな」
中川 「そもそもドラフトワン自体,強い自己主張が無く,『食べ物の邪魔をしない』ところに価値観を見出している気がするな」
ハイジ 「おじいさん,おかわり!枝豆も追加で!」
アルムおんじ 「こら,ハイジ!何でお前がドラフトワンを飲んでいるんだ!お前は未成年で,しかも痛風だろうが!」
ハイジ 「おじいさん,発泡酒や第3のビールに含まれているプリン体はビールよりずいぶん少ないのよ」
雄山 「そんな豆知識の披露で未成年の飲酒を見過ごすわけにはいかん!中川,この娘をうちの調理場に叩き込んで根性を叩きなおせ!」
中川 「は,分かりました」
アルムおんじ 「ユーザン,すまんな」
ビリー 「話を元に戻すが,枝豆はドラフード候補にはならないということで全員意見は一致だな。ただ,今後のドラフードはどうなるのか・・・俺に思いつくのはせいぜいお好み焼きやたこ焼きだが,これまでの認定フードと被ってしまうしな・・・」
雄山 「要は,どこと無くビールに似てはいるが,ビールほど自己主張の無いアルコール飲料を何と組み合わせるか,という観点で考えればいいのだろう?『食べ物と組み合わせる』という制約を取り外したらどうだ」
中川 「さすが先生!それはそうです」
アルムおんじ 「では,『ドラフード』ではなく,『ドラドリンク』というのはどうだ?ビールに飲み物を合わせるという革命的な発想だ」
ビリー 「それは面白いかも知れんな」
アルムおんじ 「まずはこの私のアイデア,『ドラフトワンと山羊の乳』を試してみてくれ」
試飲中。
ビリー・雄山・中川 「・・・ドラドリンクは,ないな」
中川 「読書と飲み物という組み合わせもあるんじゃないか。『ドラブック』というのはどうだ」
雄山 「それは,ありだな」
中川 「さっきの議論を前提にすれば,極めて個性が強い本で,かつ相棒の飲み物にはこだわりがない本がいいわけだな」
試読中。
中川 「・・・うーん,何だか『飲み食いするな!集中して読め!』と怒られてる感じがして,ちょっと合わないな」
アルムおんじ 「じゃあ,このレイモンド・チャンドラー『長いお別れ(THE LONG GOODBYE)』はどうだ」
試読中。
ビリー 「・・・こいつは相当強い味の飲み物じゃないと厳しいな。ウイスキーとか,トマトジュースとか。」
中川 「最近また復活の兆しを見せているルー大柴の新刊『ルー炎上!恥かけ,汗かけ,涙しろ』を試してみてくれ」
試読中。
雄山・ビリー・アルムおんじ 「こいつはいい!」
中川 「極めてこってりした内容で,しかも栄養分はあまりないという感じが充満しているな!何か飲みながらじゃないととても読めんが,個性の強い飲み物じゃ厳しい。ドラフトワンあたりがちょうどいい感じだ」
雄山 「それでは,焼きそばに続く認定第6号は,ルー大柴『ルー炎上!』で決定ということでいいな」
中川・ビリー・アルムおんじ 「異議なし!フードじゃないからサッポロビールがどういう判断をするか知らんがな」