サラリーマン110番(40)四字熟語で昇進が決まるわが社

<相談内容>

35歳のサラリーマン。

わが社では,管理職への昇進が決まると,人事部から対象者のもとへ使者がやってきて昇進決定が伝えられ,これを受けて対象者は昇進に際しての決意を四字熟語を交えた口上として述べる慣わしがあります。

問題はこの四字熟語で,その内容次第で,昇進が取り消されることもあれば,いきなり部長職に2階級特進する場合もあります。私もそろそろ対象者になりそうな年齢なのですが,何を言えばいいでしょうか。
ちなみに,昨年は「元気溌溂(げんきはつらつ)」を用いた人が昇進取消し,「南米原産(なんべいげんさん)」を用いた人が部長職に登用されました。


<回答>

大相撲の大関横綱昇進時の口上を真似したのか,それとも大相撲が貴社の真似をしたのかは定かではありませんが,珍しい人事評価方法だと思います。

私の推測ですが,「元気溌溂」がダメだったのは「元気溌溂を売りにするのは新人だろ!」という意見が,また「南米原産」が評価されたのは「よく分からない未知のパワーを発揮してくれそう」という意見がそれぞれの結論に繋がったのではないでしょうか。

だとすれば,「意味不明になってしまわない程度に今後の爆発的な活躍に期待を抱かせる」言葉がいいのでは,というのが私の結論です。参考までに,いくつかの四字熟語と想像されるリアクションを並べておきます。



「宴会王子」


最近の王子ブームで,巷のパーティグッズ売り場には既に「○○王子」と記されたハチマキやたすきが並び始めていますが,このブームが失速しなければ今年の忘年会シーズンには日本中で数百万人の「宴会王子」が登場することが予想されます。
その意味では,「数百万人の一人に過ぎません」と言っているのと同じであり,昇進取消しにはならないでしょうが,特進もまたあり得ない言葉だと思います。




中村紀洋


どん底まで突き落とされても実力で這い上がってくる,という意味でこの言葉を使うのは悪くはありません。ただ,「給料はどんなに安くなっても構いません」という意味に受け取られやすい点,注意が必要です。




「新・叶姉妹


すぐには意味が分からない点では「南米原産」に似たトーンの言葉ですが,叶姉妹同様,「仕事をしているのか何しているのか分からない」という意味に捉えられると,昇進取消しのリスクもある言葉です。