ボブとビリーと雄山と中川の時事放談(5)−夏休み特別放談会(於 箱根・強羅)その2
中川「その2,ということだが,もう夏休みも終わってしまったな」
ビリー「まあ,そんなことは気にせずいってみようか」
料理長「次の料理でございます。先附三品添から「鱧皮煮こごり 鱧の落し」「アボガド湯葉包み 白ダツ わさび 加減醤油」です」
雄山「鱧か・・・時季としてはギリギリだな」
アルムおんじ「相変わらず辛口だな,ユーザン。わしは結構美味く感じているぞ」
中川「さて,次の諺だが,『虎穴に入らずんば虎児を得ず』だ」
ビリー「辞書を引くと,『リスクや努力無しに目標を達成することは出来ない』と書いてあるな」
雄山「じゃあ,今回もアルムおんじに試してもらうとするか。料理長,頼んでおいたものを!」
アルムおんじ「ま,待てユーザン。何でわしばかりに試させるのだ?」
料理長「こちらでございます」
アルムおんじ「こ,これは・・・ピラニアか?」
雄山「そのとおり。本当は虎児を輸入しようとしたのだが,いろいろ規制があって難しいということだったので,代わりにピラニアを,ここ『強羅天翠』の名物ともいえるバーの足湯に放して,これをつかみ取りしてもらおうという趣向だ」
中川「朝青龍のまわしにピラニアまで準備するとは・・・何という懐の広い料理長なんだ」
料理長「恐れ入ります」
ビリー「ところで,疑問に感じているのだが,虎児というのは,そんなにいいものなのか?」
中川「確かにそうだな。高いリスクを冒して得る以上,相当価値があると言うことだと思うのだが・・・ペットにするのか?それとも薬に?」
雄山「それは聞かない約束の質問だ。さあ,アルムおんじ,突撃だ!」
アルムおんじ「・・・やむを得ない。と,とりゃあああ!・・・つ,掴んだぞ,ピラニアを掴み取ったぞ!見てくれ,みんな!」
雄山「うむ,ご苦労。で,どんな気分だ」
アルムおんじ「そうだな・・・しんどい割には達成感も何も無いな」
中川「虎児はたぶん売れば800万円くらいにはなるが,ピラニアは1匹200円がせいぜいだろう。虎児がハイリスクハイリターンだとすれば,ピラニアはハイリスクノーリターンということだ」
雄山「まとめると,『リスクを冒すときは,その見返りの価値を充分見極める必要がある』ということだな」
料理長「巧くまとまったところで次の料理をお持ちしてよろしいでしょうか」
(続く)