ボブとビリーと雄山と中川の時事放談(5)−夏休み特別放談会(於 箱根・強羅)その3
中川「次の料理は何だ?」
料理長「凌ぎで『鮪 茗荷子 がり』です」
雄山「まさにお凌ぎという感じだな。さて次の諺だが・・・」
アルムおんじ「待て,ユーザン。今度はわしに決めさせろ」
雄山「ん?特に構わんが」
アルムおんじ「よし,今度は『二階から目薬』でどうだ」
ビリー「いいな!意味が分かりにくいが,辞書を引くと『思うように効果が出ず,やきもきすること』などとされているな」
アルムおんじ「ビリー,ぜひその身で体験してみてくれ」
雄山「それはいい。ここ,強羅天翠はロビーが吹き抜けになっていて,2階の回廊部分からロビーが見下ろせるから,実験するにはもってこいだ」
中川「料理長,頼んでおいたものを」
料理長「参天製薬の『スーパークールA』でございます」
雄山「相変わらず気が利くな」
アルムおんじ「ユーザン,お前は2階に上がって目薬を落としてくれ。ビリー,お前はロビーでその目薬を受けてくれ」
雄山,ビリー「がってんだ」
準備完了。
雄山「行くぞ,ビリー」
ビリー「来い!」
目薬点滴。
ビリー「・・・はうっ!ぐ,ぐう・・・」
雄山「ビリー,どうした!」
ビリー「目薬の滴が目を直撃して,思いのほか痛かったんで驚いたんだ」
アルムおんじ「やはりそうか・・・たかが水滴とはいえ,数メートルの高さにある目薬が持っている位置エネルギーは馬鹿にならない,ということだな」
中川「『位置エネルギー』か,中学生だった頃以来,数十年ぶりに聞いた言葉だな」
雄山「ビリー,この諺の意味を説明してくれ」
ビリー「目薬は用法を守って正しく使用しなさい,ということに尽きるよ」
料理長「次の料理,椀で『鯛素麺 白瓜 かもじ青紫蘇』です」
雄山「なかなか手の込んだ椀物だな」
(続く)