ビリーズ・ブート・キャンプ日本語吹替え版発売記念・東洋と西洋の調和を目指して
(これまでのあらすじ)
今年末に発売されることになったビリーズブートキャンプの日本語吹替え版。
ビリーと娘のシェリーはキャンペーンのため来日する予定だったが,スケジュールが合わず断念。
代わりに,日本語版で吹替えを担当する俳優にキャンペーン用の記念対談を依頼した。
千葉真一「むう・・・ビリーの声の吹替え担当の千葉です」
藤岡弘、「やあ,ビリーの娘・シェリーの声を担当する藤岡です」
藤岡弘、「・・・決まった役を黙々とこなすのが声優というものです」
千葉真一「むう,そうだったな・・・」
藤岡弘、「ところで,今日は何をテーマに話を?」
千葉真一「そうなんだ,ビリーからは『二人で料理でもしながら雑談してくれ』というリクエストが来ているんだ」
藤岡弘、「料理か・・・俺は『焼く』『ゆでる』以外の調理法は知らないからな・・・」
千葉真一「俺は他に『そのまま』というのも知っているが」
藤岡弘、「ビリーから食材の指示はあったんですか?」
千葉真一「それが,送られてきたのがこの2つなんだ」
藤岡弘、「!・・・こ,これは『シシャモ』と,『カマンベールチーズ』?」
千葉真一「どうもそのようだ。両方とも北海道産らしい」
藤岡弘、「このししゃも,いい焼き具合だ。来年1月1日に発売される八代亜紀の新曲『舟唄2008』では,『炙った烏賊より 焼きししゃも』と唄われているが,日本酒の肴としては最高の品の一つだな」
千葉真一「こちらのカマンベールもなかなかの逸品だ。欧州の本場産に全く引けをとらない深みを感じさせる香りで,ワインがぐいぐい進むな」
藤岡弘、「ところで,なぜビリーはこの二つを指示したんでしょうか?」
千葉真一「むう・・・わからんが,西洋文化の粋とも言える『ビリーズ・ブート・キャンプ』を遠い東洋の日本語に吹替えるなら,全く性格の違うこの二つの食材を上手く組み合わせてみろ,ということじゃないか」
藤岡弘、「なるほど・・・じゃあ,トライしてみるか」
千葉真一「!・・・藤岡君,な,何を??」
藤岡弘、「もちろん,温めたカマンベールでチーズフォンデュを」
千葉真一「あ,ふ,藤岡君,何てことを!」
藤岡弘、「ふっふっふ,簡単ですな,これで完成です。『ししゃもフォンデュ』!」
千葉真一「・・・何てことを」
藤岡弘、「千葉さん,よく考えてみてください。シシャモもチーズも,共通するのはほんのり塩味。土台が同じであれば,必ずマリアージュは成功します!」
千葉真一「・・・とりあえず食べてみるか・・・!!!な,何だこれは!?」
藤岡弘、「こ,これはまさに期待以上の奇跡的な味だ!東洋と西洋の酒の肴が合体したが,同じ北海道産でしかも塩味がベースにあるものどうし,確かにこれは合う!」
千葉真一「す,凄い!人類が経験したことのないほどの『塩味の広がりと深み』が口の中で無限に広がる!」
藤岡弘、「これにワインを合わせてみるか・・・ほんのりとした海の香りを生かすには若いワインのほうがいいな,じゃあこの『ボージョレ・ヌーヴォー アントワーヌ・シャトレ』で行ってみるか。千葉さんもどうぞ」
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千葉真一「・・・お,おおお!!!今,私は海辺に近い草原の上に寝転がっている・・・そこに年老いた犬がやってきて,私の隣に静かに座る・・・犬がくわえているのは,・・・回覧板?広げてみると,『町内運動会のお知らせ』が・・・」
藤岡弘、「さすが千葉さん,かつてワインの表現で『回覧板』を使った人はいないでしょう」
千葉真一「しかし,ワインとカマンベールとシシャモ・・・カマンベールが間に入ることで,奇跡的なマリアージュが実現したな」
藤岡弘、「ビリーとシェリーと千葉さんと私も,同じようなものなんでしょう」
千葉真一「・・・藤岡君,上手くまとめてくれて助かったよ。それじゃこのへんで!」