少子高齢化問題の抜本的解決策登場−日本の人口,再び純増に転じる

人口純減社会が想定よりも早く到来してしまった日本。少子高齢化による社会・経済の停滞などが今後深刻な課題になるなど,本格的な対策検討が求められる問題であるが,先月,偶然発見された医療技術で人口を急回復させることが可能であることが判明した。政府がこの技術を活用した人口問題の抜本的対策立案に乗り出したほか,一部では早くもこの技術を活用した取組みがスタートしている。

世紀の発見とも言える今回の技術を偶然確立したのは,KO大学付属病院に外科医として勤める本木祐子さん。
昨年末,本木さんを訪ねた,左足を骨折した患者の治療からこの発見が生まれた。ソフトボール大会で奮闘,ホームベース目指して激走する際に転倒して左膝部分を強打,骨折したこの患者の経過を見るため,本木さんは患者の左膝部から皮下組織を微量採取,培養を行っていた。1日経過したところで採取された組織が数倍の規模に膨張していたが,気にせずシャーレごと保温庫に入れて越年。
年明け後最初の勤務となる1月6日に出勤したところ,保温庫の中から「ドンドン」という音が聞こえた。慌てて保温庫の様子を見ると,中には骨折した患者と瓜二つの人間が入っており,「開けてくれ」と叫びながら保温庫の扉を叩いていたという。本木さんは予想外の出来事に卒倒しそうになりながらも扉を開け,患者に衣服とスープを与えて落ち着かせた後,なぜ保温庫内に入っていたのか事情を尋ねた。しかし患者は「気付いたときには既にここに閉じ込められていた」と主張。患者の自宅に電話をすると本人が出てきたこと,また本木さんが入れたはずのシャーレからは患者の皮下組織が消えていたことから,「何らかの要因で皮下組織が成長して本人そのものを再生してしまったもの」と推測,大学病院のスタッフに連絡するとともに本格的な研究に入った。
同病院では,偶然,極めて簡単な世界初のクローン人間誕生技術を獲得したことに大興奮しつつ,左膝部皮下組織以外の部位からクローン人間再生が出来ないか,実験を繰り返した。その結果,左膝部皮下組織にのみ特異細胞が存在することが確認され,この細胞を含んだ皮下組織を培養することで1週間〜2週間でクローン人間が誕生することが実証された。
この方法により誕生したクローン人間は,オリジナルの人間と全く同じ外見,記憶,能力を有しており,社会人のクローンであればすぐにでも即戦力として働けることから,将来的な労働力不足の切り札になることも期待されている。

これを受けて各界で早速動きが出ている。
真っ先に今回の発見に反応したのが王貞治氏。早速17日に自主トレ中のヤンキース松井・ホワイトソックス井口の両選手に面会,皮下組織の提供を懇願した。3月に開催されるWBCワールドベースボールクラシック)で日本代表チームを率いる王監督にとって,両選手の出場辞退は非常に大きな痛手となっていたが,皮下組織さえあれば1ヶ月以内に両選手のクローンを確保できることから,「世界の王」のプライドをかなぐり捨てての懇願となった。
また,ポスティングシステムによる大リーグ移籍を熱望していた上原・松坂らは,自ら左膝部皮下組織を球団に提供,「クローンを残していくので大リーグ挑戦を認めて欲しい」と改めて要望している。球団側では「一応戦力維持にはなるが,考え方も本人と同じだろうから,いずれクローン自身も『大リーグに行きたい』と言い出しかねないのでは」とやや慎重な姿勢を見せている。

日本相撲協会も「朝青龍の一人勝ちが長く続いていることが相撲の不人気の原因」と分析,急遽朝青龍のクローンを誕生させて,横綱2人体制の誕生を目論んだ。しかし,朝青龍から提供された皮下組織が予想外に大きく,これを培養したところ,29名のクローン朝青龍が誕生してしまうというハプニングが発生した。「このままでは幕内が朝青龍だらけになってしまう」「『朝白龍』『朝紫龍』など四股名に色をつけなければいけないが,29色も思いつかない」と危機感を強めた同協会では,クローン朝青龍K-1などの格闘技界などにあっせんすることを検討している模様だ。

小泉首相も今回の技術を利用する一人。自分のクローン人間を誕生させて「ポスト小泉」の最有力候補として売り出す意向。安倍官房長官が次期首相レースに今ひとつ乗り気でないことに業を煮やし,「ポスト小泉はやはり小泉」というワンフレーズで乗り切る意向だ。

各企業においても取組みが急速に進んでいる。システム系企業や金融機関などを中心に,非常時・災害時用のバックアップオフィス常駐要員としてクローン社員を置くべく,社員の左膝部皮下組織採取に全力を挙げている。
ただ,成果主義を採りいれている一部企業では,実績確保のため,上司が部下の皮下組織を強制的に採取,培養して頭数を増やして営業活動に強制投入する動きも報告されているという。こうしたケースでは,クローン社員に対しては正当な報酬が支払われないケースがほとんどであり,また,現行法上は無戸籍となり,人権保護の観点で問題があるため,法務省厚生労働省を中心としたプロジェクトチームで早急に対応策を検討する予定だ。

総務省の推計によれば,こうしたクローン人間誕生により,本年1月だけで日本の人口は20万人程度の純増に転化するものと見込まれており,今後は人口ピラミッドの修正の観点から,若者のクローン育成が課題となりそうだ。
この事実を発見した本木さんと,きっかけを作った左足骨折の患者に対しては,早くも今年度ノーベル医学賞最有力候補との声があがっており,今年の受賞者発表に注目が集まる。