秋田で「なまはげ」が異常繁殖−困惑する夏祭り関係者


注:このコーナーは,1998〜2004年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報が含まれていますのでお気をつけください。



いよいよ本格的な夏祭りシーズンが到来し,「東北3大祭り」のひとつである竿燈祭りを擁する秋田も準備に追われているが,言わば「冬祭り」の象徴的存在である「なまはげ」が異常繁殖しており,関係者は頭を痛めている。

秋田県男鹿半島一帯を中心に続く「なまはげ」は,大人が「なまはげ」に扮して各戸を回る伝統行事として有名だが,この「なまはげ」は元来は大人が扮するものではなく,男鹿半島各地に広く生息していた野生の類人猿の一種だ。
明治時代前半までは実際に200頭以上が生息しており,「なまはげ」シーズンには人里に下りてきて子供たちを怖がらせていたというが,環境の変化とともに徐々に頭数が減少。
頭数不足を補うために大人たちが「なまはげ」に扮し始めたのは昭和の初期。そして八郎潟干拓事業により,貴重な水飲み場を失った「なまはげ」はその姿が確認されなくなり,昭和53年に絶滅種としての認定を受けた。
しかし平成8年以降,「なまはげらしき動物の姿を見た」という目撃証言が相次ぎ,これを受けた秋田大学環境庁(当時)らの合同調査により男鹿半島全域で15頭の生息が確認された。調査に当たった秋田大学の井沢仁助教授によれば,「なまはげ」の繁殖の原因としては地球温暖化等の影響という見方が有力だという。
そしてこの晩春から夏にかけて,男鹿半島各地で「なまはげ」が異常繁殖,コンビニ前で数十頭がたむろしているケースも含め,これまでに合計6,800頭前後が確認されている。

秋田にとってシンボルともいうべき「なまはげ」の繁殖は,歓迎すべきことのように思われるが,地元の観光関係者によれば「最近のなまはげはキレやすく,ちょっとしたことですぐに人間に暴力を振るい,最悪のケースでは人間が食べられてしまうこともある」という。
そしてこの異常繁殖で特に頭を痛めているのが東北3大祭りのひとつ,竿燈祭りの関係者だ。青森のねぶた,仙台の七夕をライバル視する竿燈関係者にとって,観光客をどれだけ誘致できるかはプライドを賭けた問題となっている。そんな折に発生した「なまはげ」異常繁殖は,観光客を男鹿半島に奪われてしまい,最悪そのまま観光客を食べられてしまうという二重の意味で悩ましい問題だ。
地元商工会では「なまはげ達と話をつけて,かれらにも竿燈祭りに出てもらってはどうか」といった案まで真剣に検討されているという。特別天然記念物に指定されているなまはげは,捕獲することも認められていない。地元では,なまはげ関係国会議員で構成される「全国なまはげ愛好国会議員連盟」に対策を陳情しているが,同連盟会長だった鈴木宗男氏が逮捕されて以来同連盟は事実上機能を停止しており,有効な対策は打たれそうにない。

緊張の夏を迎えた秋田県に今,全国の熱い視線が注がれている。