引越し各社が大結集-4月の転居シーズンに向け

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。

 


今年もまた、4月の入学・就職・転勤シーズンが近づいてきた。
近年の人手不足の影響が顕著に表れているのが引越し業界で、特に4月1日直前の時期には全国で大量の転居ニーズが発生し、引越し料金は通常時の10倍に上るケースまであるという。
そうした「人手不足下の引越しニーズ」にどう対応するかを、10年近くにわたり密かに研究してきた、引越し業界準大手~中堅クラスの10社がこのたび合併し、一致団結して超繁忙シーズンに立ち向かうことが明らかになった。
10社合併による新会社「アニマル引越センター」の取組みを追った。


「10年前に日本の将来人口推計を見て、当業界での人手不足は確実であり、手を打たないと存亡の危機に直結すると感じた」
そう語るのは、業界準大手の「ハトのマークの引越しセンター」のA社長。


同社では長年、低コストで良質な引越しサービスの提供を続けてきたが、ここ数年の人件費の高騰により、そうしたサービスが次第に難しくなっていた。
「人手に頼らない引越しを考えなければ」そう思い立ったA社長が最初に試みたのが、「引越し作業におけるロボットの活用」だ。
しかし、ロボットの導入費用、その後のメンテナンス等のコストを勘案すると全く採算が合わないことが判明、断念するに至った。


しかし、へこたれないA社長は「ロボットも人もダメなら、動物はどうか」と発想を転換。「わが社の社名はハト。実際にハトを引越しで活用してみよう」と決断し、伝書鳩5,000羽を「採用」し、軽量の荷物の運送に用いるための訓練を施した。
厳しい訓練の成果もあり、これらの伝書鳩は、極めて高い確率で委託された荷物を運ぶことに成功したが、ネックとなったのが「荷物の重量は最大でも70グラムまで」という点。A社長は、伝書鳩1,000羽をひもで結びつけて、重量60㎏の箪笥を輸送させる実験を行ったが、ハト同士の距離が近すぎて羽ばたき出来ずに失敗に終わった。


さすがに落ち込んだA社長だったが、すぐに次の手を考えた。
「ハトに長所や短所もあるように、他の動物にも長所と短所がある。色々な動物をうまく組み合わせて引越しに使えば、何とかなるのではないか」


そう直感したA社長はすぐに、業界の会合を通じて交流のあった「キリン引越センター」「アリさんマークの引越社」「ラクダの引越便」「しまうま引越センター」等、動物名を社名に入れている会社の社長に声をかけた。
いずれの社長も、将来の人手不足を漠然と懸念はしていたものの、打つ手がなく困っていたため、「各社の個性を活かしつつ、人手不足に対処できる可能性がある」として賛同。
2009年5月、計10社による研究会が秘密裏に発足した。


以来、各社はそれぞれのトレードマークの動物をどうすれば引越し作業に活用できるか、研究に研究を重ねてきた。キリンやパンダ等、希少動物をキャラクターにしている会社は、人工繁殖により引越し作業に投入する頭数を確保する研究にも並行して取り組んできた。
人の言葉を理解しないキリン、狭い道路では身動きが取れなくなるゾウ、作業に疲れるとすぐに逃げてしまうシマウマ、小さすぎて管理が難しいアリ・・・。
各社の血の滲むような苦労を経て、ようやくこの1月に、ついに引越し作業を9割がた動物に任せる実証実験をクリア、10社の大合併実現を経て、本年3月の引越繁忙シーズンから、実際の現場に戦力として投入されることになったものだ。


「夫婦+子ども1名」という世帯の引越の場合、「人間1名、馬3頭、水牛2頭、ラクダ5頭、ハト20羽、キリン1頭、ゾウ2頭、アリ200,000匹、ペリカン5羽」というチームで作業に当たることになるという。
家財類を全部搬出するまでの標準作業時間は概ね2時間程度と、人間による作業にそれほどひけをとらないレベルだ。


3月8日、マスコミ関係者を招待して千葉・幕張で実施された引越しデモンストレーションでは、2頭のゾウが器用に鼻を使って箪笥を持ち上げ、水牛の背中に乗せるという技に拍手が鳴りやまなかった。
また、30,000匹のアリが黙々と書籍類を運んでいる姿には、「小さな命がこんなに頑張っている」と、感動のあまり目頭を押さえる姿もあちこちで見られた。
この3月から4月にかけて、これらの動物軍団による引越しは、首都圏を中心に5,000件程度実現する見込みだという。近所で耳慣れない動物の鳴き声が聞こえたら、ぜひ見学のため足を運んでみて欲しい。


このような取組みが、今後ますます深刻化する人手不足問題への救世主となり、他業界にも広がっていくのかどうか、注目が必要だ。