大手金融機関で「社外新入行員」制度広がる(1999年)


注:このコーナーは,1998〜2005年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報が含まれていますのでお気をつけください。また,登場する企業名は実在のものとは関係なく,かつ時代の変遷と共に現存していないケースもありますのでお気をつけください。


ソニーなど主要企業で社外役員制度の導入が広がっているが、都銀等では「社外新入行員」制度が今春スタートした。これは、各方面で活躍している人材をあえて「新入行員」として組織内に取り込み、現場の視点から組織の活性化を図ろうとするもの。各行ではそれぞれユニークな人材を採用、さまざまな波紋を投げかけている。

住友銀行東上野支店に配属されたのは野球評論家の落合博満さん(45)。支店での配属挨拶では「新人だけど俺流でやらせてもらいます」と宣言、相変わらずの一匹狼振りを発揮している。ただ、シスターの久保晴香さん(24)にはぞっこんで、札勘のあまりの下手さ加減に業を煮やした久保さんに模擬紙幣の束で顔を引っ叩かれても「若い娘に札束で顔を叩かれるのも悪くないもんだ」とにやける。配属3日目には新人の伝統的な仕事である花見の場所取りで上野公園に出張、押しの強い信子夫人の協力も得てベストポジションを確保して、その夜の宴席では支店長から誉められる一幕もあった。

三和銀行資金為替部に配属されたのは周富徳さん(57)。中華の王者が新人として挑むのは円金利先物のディーリング。全ての物事を料理の組み立てに置き換えて考える周さんの独特の思考パターンがフィットしているのか、始めて2週間の成績は2億3000万円の利益と非常に好調だ。「待て、デザートにはまだ早い!」「炒は火が命だ!」「ぐずぐずしてると煮崩れるぞ!」などと叫びながら売買を繰り返す「周イズム」は周囲の行員にも明らかに影響を与えており、デスクには「すぐ出来る中華おそうざい」「鉄人が教える究極中華メニュー50選」等のお料理本が山積みされている。一方で、周さんは17万円あまりの初任給の一部で先輩にケーキを振る舞うなどかわいい面も見せており、チーム内での評価はうなぎ上りだ。

城南信用金庫五反田支店に配属されたのはヘッジファンド界の巨人、ジョージ・ソロスさん(66)。研修もかねて五反田中央商店街での集金を担当している。各国首脳も一目置くソロスさんも五反田商店街では単なる老人だが、株好きの魚屋「魚正」のご主人とは話が合うようで、「いやあ、おじいちゃん、相場に随分詳しいんだね」と気に入られ、無事に新人研修のノルマである公共料金口座振替3件獲得を達成した。また同支店での年金受給者を組織化した「年金ゆうゆうクラブ」では事務局を務め、「幹事なのか受給者なのか分からないよ」という冷やかしの中で、温泉旅行の引率などもこなしている。夜の宴席では東欧に古くから伝わる隠し芸「ワルシャワの一夜」を披露、大喝采を浴びた。