大相撲,「タニマチ」全廃−透明性の高いスポンサー制導入へ

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。


大相撲界の不透明性を抜本的に改善するための「スポンサー制度」が導入されることが内定,角界の光景が大きく変わろうとしている。


角界では古くから,部屋や関取ごとに「タニマチ」と呼ばれる後援者が付き,様々な経済的便宜等を図るという風習が定着している。

誰がタニマチであり,どのような支援をしているのかは外部にはほとんど見えず,その不透明性が今回のような不祥事を生んだ背景にあるとされている。
他のプロスポーツでも企業等の支援を受けること自体は一般的であるが,誰がスポンサーとなっているかは明確になっており,その点で相撲界の特殊性が指摘されてきたところだ。

今回の特別調査委員会では,その最終的な結論として,不透明なタニマチからの利益受領を一切禁止し,対外的に開示されたスポンサーからの支援のみを認める,という形を打ち出したものだ。


これまでに内定した主なスポンサーと相撲部屋の顔ぶれは次のとおり。


武蔵川部屋(スポンサー:三菱東京UFJ銀行

現理事長を擁する名門部屋のスポンサーの座を獲得したのは三菱東京UFJ銀行
相撲愛好者に高齢者が多いことに着目,資産運用ビジネス等への好影響を狙っての投資とみられる。スポンサーが誰かを明確にするため,この8月2日から部屋の名称は「三菱東京UFJ武蔵川部屋」となる。
角界で最も長い名前の部屋になることについて,所属する雅山垣添などの幕内力士はやや不安げだ。


佐渡ヶ嶽部屋(スポンサー:みんなの党

本来,政党は特定団体に継続的に利益供与することは認められていないが,連立の目を捨てきれない民主党が秋波を送るべく,最近得意の「超法規的措置」をここでも発動,小規模野党に限り認めたため実現した,夢のコラボレーションだ。
部屋名は当然,「みんなの佐渡ヶ嶽部屋」に改称され,所属する力士の四股名もまた「みんなの琴欧洲」「みんなの琴奨菊」などに変えられている。
琴欧洲は「来場所から四股名を呼ばれたときに力が入るかどうか,ちょっと心配です」と顔を曇らせている。

なお,「たちあがれ日本」もいずれかの部屋のスポンサーになろうとしているが,四股名に「たちあがれ」が加わることを懸念する部屋が続出,いまだ決まっていない模様だ。


朝縄(三段目,高砂部屋所属)(スポンサー:菓匠三全

菓匠三全は,仙台銘菓として全国に名を馳せる「萩の月」の製造販売元だ。宮城県出身力士である朝縄のスポンサーとなり,四股名を「萩の月」に変えさせ,銘菓としての知名度をさらに高めようという試みだ。

同様の動きは全国の菓子製造業者に広がっており,福岡県出身の大関魁皇には「ひよこ本舗吉野堂」がスポンサーとなることを申し入れている。四股名を「ひよ子」に変えてほしいという無茶な注文だが,大関も「地元のためなら」と,残り少ないであろう現役力士生活を「大関・ひよ子」として過ごす覚悟を固めつつある。

このほかにも「赤福」「白い恋人」「ままどおる」「東京ばな奈」「八ツ橋」「ちんすこう」など,強いのかどうか分からない関取を続々と誕生させるべく,全国の菓子業者が水面下で力士たちに接触している模様だ。


こうした部屋・力士単位のスポンサー契約のほか,相撲協会自体の運営費用に充当するため,相撲の「決まり手」の命名権ネーミング・ライツ)を売却することも検討されている。
「寄り切り」のように頻繁に発生するものや「上手投げ」のように豪快な技については年間数百万円程度の相場になる模様だが,姑息な印象を与える「はたき込み」や,めったに出ない「かわず掛け」などは10万円以下での売却になる見込みだという。
「ただ今の決まり手はパナソニック下手出し投げ,パナソニック下手出し投げです」という館内放送が秋場所から実現しそうだ。

スポンサーとなった企業は,単に資金を出すだけではなく,部屋の運営にもある程度関わっていくことになる。

境川部屋のスポンサーに内定しているJR東日本では,相撲部屋への入門者が激減している事態を憂慮し,所属力士数が不足する場合には自社の社員を力士として出向させることも検討しているという。

このほか,スポンサーとなっている企業同士が合併・経営統合した場合には,必然的に相撲部屋同士の合併話も持ち上がることが予想されるなど,角界はこれまでよりも格段に一般社会の動きの影響を受けることになる。


こうした新制度が吉と出るか凶と出るか,9月の秋場所に注目が集まる。