「日替わり定食」に存亡の危機-WHOルールの導入観測で

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我が国の多くの飲食店や社員食堂等でおなじみの「日替わり定食」が、存亡の危機に瀕している。


日替わり定食は、主にランチタイムに多くの飲食店で提供されているメニューだ。
利用者にとっては「定番メニューばかりだと飽きてしまう」「メニューを何にするか、あまり悩まずに決められる」といったメリットがあり、飲食店側にも大量仕入れによるコスト低減や調理作業の効率化といった利点があるため、現在では大半の飲食店が何らかの「日替わり定食・ランチ」を提供している。


こうした日替わり定食は、「安くて美味しい日本のランチ」として、訪日観光客にも人気を博している。彼らが「美味しい」とSNSで紹介した店には、外国人観光客が押し寄せる等の現象も起きているという。
ただ、その提供方法は店により様々だ。毎日新しいレシピを考案し、「同じメニューは二度と出さない」という店もあれば、せいぜい3~5種類のメニューをローテーションで出している店もある。


この、レパートリーの少ない日替わり定食に噛み付いたのがフランス人観光客らだ。
フランスには同様に日替わりランチが存在しているが、それぞれの店がプライドをかけて提供しているだけに、そのレベルは非常に高いという。
そんなフランス人観光客からは「レパートリーが3種類なのに日替わり定食を名乗るなんて笑止千万」「騙された気分」といった声がSNSに上げられるようになってきた。


こうした声に、意外な形で反応したのがフランス政府だ。
日産・ルノー連合問題を巡って日本とは微妙な関係にあるうえ、マクロン現政権支持率の危機的低下という事情を抱えていることから、政府として毅然とした態度をとり、支持率向上を図る必要があると判断。
12日、ビュザン保健相は定例会見で、フランス人が日本で撮影してきた「日替わり定食」の様子を紹介。ハンバーグ、から揚げ、メンチカツの3種類を毎日順番に回すという、劣悪な日替わり定食の実例を紹介したうえで「オリジナリティもバラエティも欠く、貧弱な食文化の国で五輪を開催するのはいかがなものか」と、雑な日替わり定食の存在を黙認している日本政府を暗に批判した。
また保健相は合わせて、「栄養学・保健学の観点から、日替わり定食の定義および国際基準を設けるよう、WHO(世界保健機関)に提案する」とも言明、既にWHOに対してフランス政府としての案も送付していることも明らかにした。


関係者によれば、このフランス案は「毎食ごとに、平均的な成人が必要な栄養分を過不足なく摂取できること」「1か月間毎日食べ続けても栄養分のバランスの偏りが一切生じないこと」「同一メニューの提供は年2回までに抑えること」等、健康を名目にしているとはいえ、非常に厳しい内容だという。
さらには「シェフの気まぐれ定食」といった名称も、「店主の気分を客に押し付ける姿勢は顧客保護の精神に反する」として、禁止する内容となっている。


今回フランス政府が示した案を受けて、厚生労働省経済産業省は影響度を把握するために、全国2000店舗を対象に緊急調査を実施した。
その結果、我が国飲食店の日替わり定食は、平均で1店当たり10種類程度のレパートリーしか有しておらず、1年間毎日営業すれば、年36回は同じメニューが登場することになり、フランス政府の基準案を大幅に下回ることが判明した。
また栄養面でも、「メニューの7割が揚げ物に集中しており、バランスを欠く」との結果が出ているほか、8割の店に「気まぐれサラダ」等の気まぐれ系メニューが混入しており、絶望的な状況だという。


この結果に衝撃を受けた両省は、対応策検討のためのプロジェクトチームを設置、農林水産省やABCクッキングスクールの協力も得ながら案の検討を大車輪で進めている模様だ。
フランス政府に批判された、「ハンバーグ・から揚げ・メンチカツの3種類しかレパートリーのない店」を対象として、「ハンバーグソースのバリエーションを50種類創作する」「から揚げをミンチにしたうえで成形し、もう一度揚げてメンチカツにしてみる」「揚げたてメンチカツをお湯にくぐらせて食べる『メンチしゃぶしゃぶ』を導入する」「栄養バランスのために、添える野菜は大玉トマト1個+ブロッコリー200g+人参1本+キャベツ半玉にする」等々、レパートリー拡大と栄養バランス確保に向けて、試行錯誤を繰り返しているようだ。
チームメンバーの一人は、連日の試食ですっかり張り出したお腹を叩きながら「頑張ります、フランス人には負けない」と力強く語った。

 


「日替わりは止めて、通常メニューで勝負すればいいだけなのでは」といった冷静な声はかき消される形で、今日も「日替わり定食」存続に向けた熱い戦いは続いている。
WHOが本気でこうした提案を受け取ることがあり得るのか、またそもそもフランスの日替わり定食はそこまで美味しいものなのか、十分な検証と注目が必要だ。