内閣改造で大臣が一挙「10倍」に-「待機組」処遇で苦渋の策

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当選回数が多いベテラン議員等、いわゆる「入閣待望組」が多数に上るなか注目されていた内閣改造11日、予定通り実施された。

ただ、菅官房長官が読み上げた新内閣閣僚名簿に、会見場内の記者からは大きなざわめきが漏れた。

 

経済産業大臣は、月曜日担当◎◎さん、火曜日担当△△さん、・・・日曜日担当□□さん、夜間担当●●さん、ビジュアル担当◆◆さん、発言担当〇〇さんです」

 

ほぼ全ての大臣ポストについてこうした形での発表が行われた結果、「大臣」ポストを獲得したのは一挙に現状比約10倍の197名に達することとなり、官房長官による名前の読み上げも30分を費やすものとなった。

 

官邸筋によると、ここまでの調整プロセスは並大抵ではなかったという。

今回の内閣改造で「絶対に、何としても入閣を」と、各派閥から官邸に要請があった議員の数は合計で90名を超えており、「到底調整できる状況ではなかった」(関係者)。

しかし要請を無下に断れば、今後の運営に深刻な影響が出かねないほど党内情勢は緊迫しており、党首脳部が揃って安倍首相に相談、苦渋の判断として、「大臣の役割細分化」という案が現実のものとなった模様だ。

 

 

月曜日から日曜日までの日替わり大臣はその名のとおり、当該曜日のみ、大臣としての職務を執行することになる。

平日は、国会で答弁に立つ機会も多く負担が大きいことから、ベテラン議員からは「国会が無く、週末に選挙区に戻ったときに現職大臣として堂々と名乗れる土曜・日曜担当の大臣を希望する」という声が殺到した模様で、党首脳部を唖然とさせた。

 

 

「夜間担当大臣」は、災害や事件が発生した場合に直ちに官邸で対策本部を立ち上げるため、夜間のみ大臣としての権限を持って官邸に毎日泊まり込むという「宿直係」的な使命を持つ大臣ポストだ。

防衛大臣国土交通大臣についてはその必要性も容易に理解できるものの、文部科学大臣など「夜間担当って、どういう仕事があり得るのか」と疑問符がつくポストも相当混じっているようだ。

 

 

「ビジュアル担当大臣」は、各省庁のホームページに掲載される大臣の顔写真を担当する、名実ともに「省庁の顔」「広告塔」的な役割を担う。

写真撮影が終わると、その後はほとんど仕事がないのに「大臣」を名乗れることから大人気ポストとなっており、ビジュアルには自信のあるいわゆるタレント議員らがそのポストの多くを獲得する結果となった。

 

 

「発言担当大臣」は、国会答弁等で失言癖のある大臣をしゃべらせないよう、アニメのアテレコの要領で本人に代わり声の出演を果たす、「天の声」的なポストだ。官僚出身で手堅い答弁が得意そうな中堅議員が、「発言担当」として初めて大臣ポストを獲得したケースが多数出ている。

 

一方、異例だったのは財務大臣ポスト。

このポストについては予想通り、麻生太郎氏が引き続き全ての曜日において続投することとなったが、衝撃を与えたのは「発言担当、加藤みどりさん」という発表だ。

加藤みどりさんはご存じのとおり、長年にわたり「サザエさん」の声を演じている声優だ。

麻生氏は実力者ではあるが、記者会見で、質問した記者の不勉強をなじる等、その口調が必要以上に聞き手の反感を買うことが多い、というのが首相周辺の評価だ。

この点を是正すべく、発言担当として加藤みどりさんを登用。加藤さんは麻生氏の発言を読唇術で読み取り、その場で内容を忠実に「サザエさん」の声で発声するという役割を担う。

これにより、麻生氏がどれだけ記者を難詰しても「サザエさんがカツオを叱りつけているようにしか聞こえない」雰囲気に変わることを期待している模様だ。

さらには、「麻生氏が致命的な失言を行った場合には、代わりに発言担当の加藤さんに責任を取らせるという選択肢もできる」(与党幹部)という裏の狙いもあるようだ。

 

 

今回の内閣改造はこうした工夫により、全ての派閥が満足する結果を得ており、気をよくした官邸では「副大臣政務官にも同じ手法を使えば、全ての議員にポストを配分できる」という案も出てきているという。

 

 

一体上司が誰なのか分からないと悩む官僚の苦悩をよそに、新たな内閣がどのような成果を出すことになるのか、注目が必要だ。