五輪マラソン・混乱収拾に向けたアイデア乱立

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。

 

前代未聞のプロセスで突如決まった感のある東京五輪のマラソン競歩の札幌開催。

 

 決定権限を盾に、いったんIOCに押し切られた形となった東京都や、今回の決定に納得できない関係者らが事態の収拾に向けて様々な独自案を提案し始め、混乱の様相が一段と深まりつつある。

 本日までに明らかになっているこれらの動きの一つ一つをまとめてみた。

 

 

(1)「マラソン・ワールド・チャンピオンシップ」開催案

 

 IOCが提案している「五輪終了後に東京で五輪記念マラソンを開催する」という案とは別に、小池知事が水面下で調整を進めている、とされるプランだ。

 

札幌で五輪マラソンが開催される同日の午前4時スタートで、マラソン世界歴代記録の上位200位までの選手を招待する形で開催する、というもの。

 

特徴はその賞金だ。

 

優勝者への賞金10億円を筆頭に、20位でも1,000万円の賞金が得られるという、マラソン史上例のない超高額賞金大会とし、五輪から選手を奪い取ってしまうという戦略だ。

 

東京都では、五輪公式スポンサーとなっていない都内の大手企業に対して、賞金提供を含めて協賛を強く呼びかけている模様。ターゲットとされている各企業は、作り笑顔で来訪してくる小池知事に戦々恐々としているようだ。

 

 

 

(2)国民投票実施案

 

官邸が内々検討していると言われているのが、東京開催か札幌開催かを「国民投票」で決める、というプランだ。

 

「賛否両論あるなか、国民の意向を無視して関係者だけで独断的に決めてしまっては、五輪開催に向けた国民の一体感が喪失されてしまう」というのが理由とされているが、英国のEU離脱をめぐる国民投票同様、かえって混乱と分断を拡大させるだけ、として反対する声も強いという。

 

ラソン開催地で揉めているのを奇貨として、「憲法改正論者達が、国民投票という行為への抵抗感を薄めようとしているのではないか」という見方もあり、実現の可能性は必ずしも高くなさそうだ。

 

 

 

(3)東京ドーム開催案

 

 東京開催の問題点として指摘されている「暑さ」を解消すべく、空調を効かせた「東京ドーム」内で競技を行う、というプラン。

 

ドーム内のグラウンドに、1週200mのトラックを設け、マラソンの場合はこれを211周する、というものだ。

 

五輪シーズンでプロ野球開催が休みとなる東京ドームが、施設を遊ばせないよう提案しているものであり、観客収容力の面では万全であるものの、「どの選手がトップなのか分かりにくい」「見ているだけで酔ってしまいそう」等々、否定的な意見も強く、実現に向かうかどうかは不透明だ。

 

 

 

(4)「札幌~東京マラソン」案

 

 「全ての課題をクリアできる案」として、橋本聖子五輪担当大臣が今週に入り独自に提案、急速に支持を集めているプラン。

 

札幌ドームをスタートして、新千歳空港まで約37㎞を走った後、航空機で羽田空港に向かい、空港から5㎞あまりを走り、大井競馬場にゴールする、というものだ。

 

選手にとっては、酷暑の東京であっても5㎞程度であれば十分走れること、札幌案を既に組織決定してしまったIOCのメンツも保てること、最も盛り上がるゴール地点を東京都内とすることで小池知事も矛を収めやすいこと等、関係者の大きな反対は出ない、というのが橋本大臣の読みだ。

 

しかし、瀬古利彦氏をはじめとするマラソン関係者からは「2回に区切ってしまうとそもそもマラソンではなくなる」「そんな理屈が通用するなら、東京で毎朝3㎞ずつ14日間走ればいい」と、反発の声が上がっている。

 

これらの意見を押し切って、橋本大臣が決断するかどうか、その政治力が試されるところだ。

 

 

 

 

最終的にどのような形で開催されることになるのかは見通しがたいが、記録に残るレースとなるのか、記憶に残るレースとなるのか、今後の議論の行方に注目が必要だ。