「新しい飲食様式」一気に普及へ―新タイプの店舗が続々オープン

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。

 

 

「新しい生活様式」への適応に苦しんでいる代表ともいえる、レストラン・居酒屋

等の飲食業界。

しかしそうした業界にも、従来とは一線を画した取組みで、新時代に適応し始めた

事例が続出している。

本日はそんな飲食業界の最新トレンドを追った。

 

 

東京・西新橋の繁華街から少し外れた場所にこの7月、オープンしたばかりなのが

「和食 超COOL」だ。

店名は「和食のカッコよさ」を表したものではなく、料理そのものを表している。

そう、この店は世界でもおそらく初と思われる「冷凍懐石」の専門店なのだ。

 

当店は全室個室、事前予約の客のみを対象としており、最大滞在可能時間は2時間半

となっている。

入店すると、人数に応じた個室に案内され、2分も経たないうちに全ての料理が一人

一人に三段重の形式で運ばれてくる。

この料理および一緒に運ばれてくる飲み物は完全に凍結しており、自然解凍で2時間

15分を要する。

 

入店した客は、すぐには食べられない料理や飲み物を眺めつつ、マスクを着用した

まま会話を楽しみ、解凍されるのを待つ。

そして2時間15分が経過し、食べごろになった料理を、残り15分の滞在可能時間の中

で急いで食べる、という仕組みだ。

15分で懐石料理を食べつくすのに忙しいため会話をする余裕はなく、また入店時以

降は店員との接触もないという、「新しい生活様式」に100%対応したシステムだ。

実際に当店を接待で利用した会社員のAさん(45歳)は「すぐに食べられないとはい

え、料理が目の前にあるので、会話も弾み、いい接待となった」と満足げだ。

 

この店に弱点があるとすれば、冷凍懐石だけに、冬場の営業が厳しそうだという点

だが、オーナーは「11月頃を目途に業態を変更し、『食べごろになるまで2時間15分

を要する超弱火鍋』をウリにした営業を行っていく」と語っており、将来への展望

も明るそうだ。

 

 

JR飯田橋駅近くに6月オープンしたのが「宴会居酒屋 フレックス」。その名のとお

り、何名様の宴会でも柔軟に対応できるところが最大の特徴だ。

7月20日、20名で来店したグループの場合はこうだ。

 

受付機で一人ずつ入店票を受取り、そこに記載されている番号の個室に向かう。

この店の個室は全て広さ1畳弱の1名用個室になっており、20名はそれぞれ指定され

た番号が書かれた個室にバラバラに入る。

料理や飲み物は全て、室内を通るレールを使って自動的に運ばれてくるため、店員

が入ってくることはない。

そして室内で一番目立つのが、座席の目の前に設置された大型モニターだ。このモ

ニターには、他の個室に入った客が最大で5名まで映し出される。つまり、6名でオ

ンライン飲み会を行っているのに近い感覚となる。

オンライン飲み会と違うのは、全員が楽しむ料理が同じであることと、6名のグルー

プが店員によって決められ、コントロールされることだ。

店員は、入ってきた団体客それぞれの表情、お互いの関係性等を即座に見抜いたう

えで、すぐにグルーピングを設定。

この日の20名は「6名・6名・4名・4名」の4グループに分けられた。1グループの上

限を6名にしているのは、「グループの人数が多すぎると、会話に入れない人が出て

きて満足度が低下する」という統計データをもとにした判断だという。

 

そして宴会が始まると、店員はそれぞれのグループの会話の様子をモニターで

チェック。

話題の内容や会話のテンション等を同時並行で眺めつつ、宴会開始から30分程度経

過した時点から、「グループ間のメンバー入れ替え」を始める。ちょうど大人数の

宴会で座が乱れていく様を、オンライン上で実現させるものだ。

客側の意思とは関係なく、店員の判断でどんどんグループのメンバーは入れ替わっ

ていく。20名程度であれば「宴会終了までに必ず全員が一言は会話を交わせるよ

う、メンバーを入れ替えていくのがコツ」だという。

時には、関係のない別の団体客のグループに入れてみたりというハプニングまで演

出するという、芸の細かさも見せる。

こうして3時間、お互いに全く接触しないまま、思い切り懇親を楽しんだ団体客

は、皆満足して帰っていくという。

店側にとっても「個室の定員等に左右されることなく、予約を受け付けることが出

来る」という営業効率の高さが武器になっているようだ。

 

 

こうしたタイプの飲食店は今後も続々と増加することが見込まれており、停滞する

業界を抜本的に変革していく可能性が高い。

従来の常識を超えた、新しい飲食様式が定着する日も近そうだ。