「ラジオ体操」全面見直しへ−小泉改革総仕上げのシンボルとして急浮上

この記事は,将来起こるかもしれない事件を妄想を交えて記したもので,少なくとも現時点においては全く事実ではありません。実在の人物・団体・事件等にも一切関係ありませんのでご注意ください。

自民党総裁としての任期が切れる本年9月での退陣を表明している小泉首相が,最後に手がける改革対象が「ラジオ体操」であることが8日,明らかになった。首相就任前から公約していた郵政民営化などについては,内容はともかく一応成果を挙げたという整理がなされている。今後,残されたわずかな期間で実現可能なもので,小泉改革全体を象徴できるテーマを探していた首相官邸が「ラジオ体操」に目をつけたもの。
ラジオ体操の歴史は古く,昭和3年に現在の日本郵政公社の前身である逓信省簡易保険局が制定。その後,ラジオ体操第二,第三が出来たが,終戦後にこれらが廃止され,昭和21年に新ラジオ体操(第一〜第三)が登場。ただ,少々難しすぎたため普及せず,昭和26年に現在の第一体操,27年に第二体操が制定され,今日に至っている。
小泉首相の目に止まったのは,この体操が宿敵とも言える郵政行政から生まれたものであること。郵政民営化に関しては一定の成果を実現できたものの,ラジオ体操を残したままでは「画竜点睛を欠く」(首相周辺)との判断から,郵政を担当する竹中総務相に対して「ラジオ体操について抜本的改革を断行するように」との指示を出した模様。また,小泉首相はラジオ体操を放送しているNHKに対してもチャンネル数削減方針を打ち出しており,削減実現に向けた強力な圧力になる,という計算も働いているようだ。
首相から指示を受けた竹中総務相は早速,私的諮問機関「新しいラジオ体操を考える懇談会」を設置。委員にはウオーキングの大家であるデューク更家氏,振付師のラッキイ池田氏,体操のカリスマお兄さんこと佐藤ひろみち氏,能楽師の観世芳伸氏,バレリーナ草刈民代さん,ややブームの過ぎた感もあるが「サンバ」でおなじみの松平健氏,お笑い界からは独特の動きで人気のオリエンタルラジオ江頭2:50氏,お詫びの前屈運動がすっかり板についた永田寿康議員など,何らかの形で体を動かすことのエキスパートが集結した。
第1回の会合では,実際に体を動かしながら議論できるよう,竹中大臣以下,委員全員が白い全身タイツに体操帽といういでたちで集合。竹中大臣が早速各委員に新しい体操のアイデアを順番に発表するよう求めたが,永田委員から「そもそも何のための改革かよく分からない。そのあたりを十分説明してもらわないとアイデアも出ない」と批判とも取れる発言が出た。竹中大臣はこの発言に対して「あなたは首相が改革すべしと言っていることに反対するのか。改革すること自体が手段であり,目的だ。そんなことも分からない人はこの場に不要」とバッサリ切って捨てた。
これで一気に緊張感が走ったせいか,各委員は次々にアイデアを発表。全く異なるコンセプトの体操アイデアが次々発表され,収拾が付かなくなったため竹中大臣の裁定で,それぞれの委員が1分間相当の体操を考案,これを委員氏名の五十音順でつなぐことで全12分という,従来のラジオ体操を大幅に上回る長さの新ラジオ体操案が決定された。
竹中大臣は早速小泉首相に体操案を報告するため全身タイツと体操帽姿で首相官邸に向かい,首相執務室で自ら披露した。小泉首相は「よくやってくれた。今までのラジオ体操の面影のかけらもない,良い出来だ」とこれを高く評価したが,「この新ラジオ体操の音楽には私のお気に入りの『Forever Love』(X-Japan)を使ってもらいたい」という難しい注文を付けた。竹中大臣は首相の意を受けて早速X-Japanの元メンバーらを招集,原曲の歌詞を「体操の動きを説明する内容」に変更したうえで再レコーディングするよう強く要請した。大臣の全身タイツ姿に圧倒されたのか,メンバーらはやむなく承諾,早速首相官邸地下2階のレコーディングスタジオに入り作業を開始した。ボーカルのTOSHIさんは,竹中大臣から手渡された歌詞を見つつ,壮大な原曲の旋律に乗せて「全身を硬直させて前方にダイブするうんどう〜」「左足を右肩に乗せてにっこり笑ううんどう〜」など,異色の歌詞を雄大に歌い上げた。
「ラジオという名称自体も今の時代に合わない」という理由で竹中大臣命名された新ラジオ体操こと「ハイビジョン体操」は,4月1日からNHKおよび民放各局で放映が開始される見込みだ。初日は小泉首相自身が全身タイツと体操帽姿で登場するという噂もあり,各局には視聴者から問い合わせが殺到している模様。新しい体操が国民の健康をどの程度増進するか,注目が集まる。