国会議員全員の整形手術を決定−所属政党の党首の顔に(2000年)


注:このコーナーは,1998〜2005年の「日本警戒新聞」に掲載されたバックナンバーの一部を紹介するものです。記事内容については他の記事同様,相当多量の偽情報および今日の状況に合わない情報が含まれていますのでお気をつけください。


22日朝の閣議で,全国会議員に対して整形手術を義務付ける方針が了解され,来年春にも実施される運びとなった。


これは,末広まきこ議員の無所属→自民党入党騒動や,最近では自民党加藤派・山崎派による造反劇などで,国民の間から「政治家の信念がそんなにコロコロ変わっていいのか」「いったい何を信用すればいいのか分からない」といった政治不信の声があがっていることを憂慮し,保守党の扇千景党首が提案したものだ。


扇党首は,「政党所属議員は,全員所属政党の党首・総裁の顔に整形する」「無所属議員は『のっぺらぼう』に整形する」という極めて大胆な案を提示し,他の閣僚を驚かせた。「これにより,国民は政治家がどの政党の政治理念に従った行動を行うかが外見的にもはっきり分かり,政治家への信頼感も向上する」「政党をくら替えするときは再び整形が必要になるから,安易なくら替えが無くなる」「造反者は名実ともに顔をつぶされることになるため安易な造反が無くなる」といったメリットを説いた。


また,「党首が交代したらどうするのか」という柳沢金融相の質問に対しては「もちろん新しい党首の顔に整形し直します」と答えた。これを聞いた自民党の森首相は「ここで全員俺の顔に整形させれば,再整形を嫌がる議員たちが次期総裁選でも自分を支持するのでは」という計算のもと,「扇さんの提案を全面的に支持します」と珍しく明快な意見を示した。


また,公明党の神崎代表も「我が党の固い結束をさらに強化できる」と同党の坂口明厚生・労働相を通じて賛成の意向を示した。もともとルックスに自信のある扇党首を含め,与党三党のトップがいずれも乗り気であるため,この破天荒とも思える提案はわずか5分であっさり了解された。


一方,このプランを聞かされた野党を含めた各党議員は大パニックに陥った。民主党では,「議員の人権に関わる問題を,閣議で勝手に決めていいのか」という正論を語る議員が多いが,一方で「与党が顔を揃える中,民主党だけ整形しないと『民主党はバラバラだ』というイメージがつくのでは」と現実的な観点から整形に前向きな議員も少なくない。ただ,整形支持派の議員も「鳩山代表の顔はいやだ」「芸能人を代表に据えよう」など,整形の可否とルックスを巡り,党内は大議論となっている。なお,社民党では「与党の案に賛成するのはしゃくだが,全員がおたかさんになるのも一興だ」と全員賛同する予定。


与党でも,収まりがつかないのは自民党の女性議員たち。閣議自民党の全閣僚が賛成したとはいえ,女性であるにもかかわらず森首相の顔への整形を強要されるのは「男女差別だ」と猛反対,逆に扇党首の顔への整形を強要される保守党の男性議員と協調して反対運動を展開する予定だ。


また,夫婦議員である田中直紀・真紀子議員は「夫婦揃って森首相の顔になるなんて,冗談じゃない。森首相顔になるくらいなら,二人揃って角栄顔に整形する」と怒りをあらわにした。


しかし議員の大勢は,「一旦党上層部が決めたことに逆らうと,加藤派・山崎派のようになってしまう」という恐怖心からか,概ね今回の決定に従う意向を明らかにしている。森首相にとっては万々歳といった動きだが,「森首相顔の人間が沢山いれば,本物を消して誰かが入れ替わっても分からないだろう,というのが本音だ」(橋本派幹部)という物騒な声も多く,政治を明快にするための今回の案が逆に政治を混乱させるのではないか,という懸念も出ている。


また,本質的な問題として,「仮に自民党の総裁が交替しても,新しい総裁も森首相顔であるため,自民党議員はこの先永久に森首相の顔から逃れられないのでは」という指摘もなされている。



いずれにしても,国会中に同じ顔があふれかえる日が刻々と近づいているようだ。