ボブとビリーと雄山と中川の時事放談(5)−夏休み特別放談会(於 箱根・強羅)その1
会場:強羅天翠・ダイニング「花鳥」
出席:ボブ(アルムおんじ),ビリー・ブランクス(隊長),海原雄山,中川主任
雄山「随分久しぶりだな」
中川「最近猛暑が続いているので,少しでも涼しいところで放談会を行おうと,標高550mの箱根・強羅の旅館『強羅天翠』のダイニングルームでセッティングしてみました」
アルムおんじ「わしの故郷のアルプスとは比べるべくもないが,下界とは3,4度は違うな。ところで今日のテーマは何だ?」
ビリー「こんな場所でわざわざ語り合うテーマでもないが,『実地体験でかみしめる日本の格言・諺』ということでいってみたい」
雄山「よかろう。で,最初の格言は何だ?」
アルムおんじ「そうだな・・・わしが日本で最初に覚えた諺『他人の褌(ふんどし)で相撲を取る』でどうだ?」
中川「うん,いいな」
料理長「お話中失礼します。まずは先附三品添から『松茸 京白菜酒浸し』です」
雄山「8月に松茸か・・・ちょっと早すぎるな」
ビリー「ユーザン,まあそう堅いことを言うなよ」
中川「じゃあ,早速言いだしっぺのアルムおんじにその諺を試してもらおう。料理長,頼んでおいたものを」
料理長「失礼します。こちらでございます」
アルムおんじ「・・・?何だ,これは?」
中川「他人の褌の最高峰とも言える,横綱・朝青龍の『まわし』だよ」
ビリー「何!モンゴルに帰国した横綱のまわしを勝手に持ち出したのか!こういうのは『火事場泥棒』というんじゃないのか」
雄山「まあ,先を急ぐなビリー。アルムおんじ,このまわしを着けて,かつて『フランクフルトの剛力王』と呼ばれていたその実力を見せてくれ」
アルムおんじ「・・・まあよかろう。ユーザン,ちょっと手伝ってくれ」
雄山「まかせとけ」
着用完了。
ビリー「どうだ,着け心地は?」
アルムおんじ「・・・むう,朝青龍が直に着けていたまわしだと思うと,ちょっと嫌な気分になるぞ」
中川「諺としては,『人の財産・能力を我が物のように利用してその成果も自分のものにすること』という意味だが,ちょっと違うのか?」
アルムおんじ「・・・そういう意味よりも,『漠然とした気持ち悪さに包み込まれて滅入ってしまう』という意味に近いな」
中川「そうか・・・じゃあ,違う力士のまわしを試してみるか?おおい,料理長!」
アルムおんじ「いや,もう沢山だ」
料理長「次の料理をお持ちしてよろしいでしょうか」
(続く)