五輪種目としての野球,存続にわずかな光明−ロンドン五輪で「野球拳」登場へ

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。


本日開会した北京五輪を最後に,五輪種目から姿を消す予定であった野球だが,ロンドン五輪以降の存続に向けて一筋の光明が見えてきた。


野球は,近年の五輪で正式種目として定着しつつあるように見えたが,実際には,参加国が限定的であり五輪の各競技のなかでも人気薄であったこと,野球が活発でない開催国での競技場確保が極めて困難なこと,試合時間が長い上に終了時刻の目処もつきにくいこと等を理由として,今回が最後となることが昨年のIOC(国際オリンピック委員会)において決定されている。

数少ない「金メダルを狙える競技」を失いたくない日本としては,ロンドン五輪以降の継続について強く働きかけを行ってきたが,先にあげた理由がネックとなって,IOCの結論を動かすまでには至らなかった。


こうした状況を踏まえ,一旦は完全なあきらめムードが漂ったJOC(日本オリンピック委員会)および日本野球関係者だったが,流れを変えたのが星野日本代表監督の一言。


「どんな形でもいい,将来,野球が復活する可能性を少しでもいいから,残してもらいたい。そうしないと,未来の野球人に顔向けが出来ない」



星野監督の涙ながらの一言で,再びJOCは動き出した。


最初に検討したのが,ロンドン五輪でも正式種目から公開競技に形を変えて存続する可能性が高いと見られるソフトボールにおける「男子選手枠」の設定

現在,全員女子により行われているソフトボールに,1,2名程度の男子選手出場枠を設けて,ここに野球選手を送り込む,という案だ。

出場選手の年齢制限があるサッカーで設けられている「オーバーエイジ枠」を参考にしたこのアイデアだったが,実際に女子チームの練習に参加してみたプロ野球選手らがその厳しさについていけず,相次いで脱落。「男子が入ると力が落ちる」とチームからも拒絶され,この案は暗礁に乗り上げた。



そんななか,代表合宿で選手らが息抜きのため遊んでいる姿を見て星野監督が思いついたのが「野球拳」


ルールが簡単で参加国の広がりが期待できること,広い競技場は不要であること,試合時間も短時間であることなど,野球が落選した理由を全てカバーできることに気づいた星野監督は,「野球拳は野球とは何の関係も無いが,今はとにかく『野球』という文字を残すことが重要な局面だ。贅沢は言っていられない」と,JOCに対し,IOCと交渉を行うよう強く要請。

JOCとしても「この線ならいける」と踏んで,厳しい交渉を続けた結果,ロンドン五輪で公開競技として「野球拳」を実施するとの確約を取り付けたもの。


日本の「お家芸」とも言える「野球拳」であるが,発祥の地が愛媛県とされているほかは,地域によりルール等も様々。このため,公開競技としての体裁を整えるべく,明確なルール制定の準備作業が始まっている。


チームの人数や個人戦団体戦の区別については,「なるべく野球そのものの雰囲気を残してもらいたい」という星野監督の要望もあり,1チーム9名の団体戦とする線が有力だ。そのほか,ジャンケンの勝敗以外の審査ポイントとして「テンションの高さ」「踊りのキレ」「歌声の朗らかさ」等が採用される見通しだ。


これと並行して,選手の選出基準についても検討が始まっている模様だ。将来の野球協議復活につなぐ意味で選手は現役野球選手およびOBに限定して選考していく方針と見られ,既に「野球拳については球界随一」との呼び声が高い千葉ロッテマリーンズの里崎捕手,「野球拳が絵になる男」と呼ばれる球界OBでタレントの板東英二らが内定している模様だ。

一方,北京五輪の野球チームの主力であるダルビッシュ投手や和田毅投手らは「ちょっとイメージが違う」として落選するとの見方が強い。


「キレのよい踊りのために」と,空気抵抗を極限まで減少させる「野球拳用レーザー・レーサーの開発も始まっているなど,「野球復活のため」という目的を忘れたかのような,日本勢の野球拳にかける情熱はとどまるところを知らない。



ロンドン五輪でどのような結果が出るか,「野球拳JAPAN」の底力に期待したい。