一歩踏み込む節電生活(3)電車の消費電力を減らす


注意:このコラムは,今後ますます求められることになる節電のための努力について,あらゆる可能性について検討,提案を行うための材料として掲載しています。したがって,提案内容の実現性については何ら保証いたしませんのでご留意願います。


電気機器は多くの場合,その起動時に電力消費が最大になります。
これは電車も同じで,加速する際に大量の電力を消費し,その後は慣性で走行するため大幅に消費電力が低下します。

今回の節電では,「電力消費のピークを下げる」ことが最も重要とされており,これを電車に当てはめると,「加速時,とりわけ発車時の消費電力をいかに節約するか」という問題になります。

これに対応するための取組みが「ワッショイ電車押せ押せ祭り」作戦です。具体的には以下のとおりです。

  • 駅到着後,電車から下りた乗客はそのままドア付近で待機する。
  • 乗客が乗り込みドアが閉まったら,下車した乗客はドアや窓枠に手をかけ,駅員の「ワッショイワッショイ」の掛け声に乗り,進行方向に向かって一斉に押す。(ホームがカーブしていて危険な場合やホームドアが設置されている場合は,ドア付近に牽引用のロープを貼り付けておき,このロープを引っ張ることで電車を動かす)
  • 電車がゆっくりと動き始め,時速5km程度のスピードが出たところで電車のモーターを起動させて,後は自力走行に任せる。

これが日本中の駅で定着すれば,相当な規模のピーク電力消費量の削減効果が期待できるほか,次のような副次的効果も期待できます。

  • 重い電車を引っ張って加速が付いた後に手を離すと,誰でも思わず,室伏広治がハンマーを投げた後のような雄叫びが口からあふれ出る。出勤時に腹の底から叫ぶことでストレスが解消し,かつやる気も出るので労働生産性が上昇し,日本経済の回復スピードを上げることにつながる。
  • 大勢で電車を押して加速させる動きは,4人乗りボブスレーのスタート時の動きと酷似しているため,知らず知らずのうちに多くの国民がボブスレーのトレーニングを行うことになり,「ボブスレー大国ニッポン」が2014年のソチ五輪で初のメダルを獲得することも期待できる。また,節電を契機としてボブスレーでメダルを獲得すれば,「日本は転んでもただでは起きない底力を持った国」との印象が海外で広まり,国際社会で一目置かれる存在となる。

なお,鉄道会社の節電に協力する具体的なインセンティブとして,鉄道会社から協力した乗客1人1人に「節電協力証書」を配布し,これをCO2排出権同様,市場で取引できるようにすれば,節電協力を収益化することが可能となり,国全体での節電意欲がさらに高まることも期待できます。