楽天,「Yahoo!知恵袋」を社外取締役に

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。


革新的な経営スタイルで知られる楽天株式会社が,社外取締役として「Yahoo!知恵袋」を登用することが25日明らかとなり,企業ガバナンス関係者に衝撃が広がっている。

近年,企業が重要な意思決定を行う際に,「社外の目」を入れることの重要性が高まっている。
こうした流れのなか,社外取締役監査役登用の動きが加速しているほか,第三者意見として外部弁護士・コンサルタント等の意見を求めることが一般化している。
しかし,必ずしも当該企業や業界の実情に精通しているわけではない第三者に重要な意思決定を委ねるのはかえって無責任ではないか,といった意見があるほか,多額のコンサル費用を払ったあげく,通り一遍な結論やアドバイスしか出してこないケースも少なくないなど,実効性や効率性に疑問を感じる企業も多いのが実情だ。


そうしたなか,今回楽天社外取締役として迎えるのが「Yahoo!知恵袋」だ。
「知恵袋」は,登録さえすれば誰でも質問,回答の投稿が出来る,いわゆるナレッジ・コミュニティサービスだ。
創成期こそPCユーザーのマニアックな質疑応答が中心だったが,利用者の拡大とともに質問対象分野も飛躍的に拡大。残高試算表の作成実務や,PCネットワーク運用上の技術的質問,転写因子Aの実験に関する質問,さらには夜の宴席で使えそうな小ネタまで,現在の登録済み項目数は4億件とも言われている。


楽天三木谷社長は,こうした「知恵袋」の実力を試すべく,日ごろ密かに悩んでいる事項をいくつか質問として投稿したところ,わずか20分で全ての質問に対して,「目からうろこが落ちる」ような回答が続々と寄せられたという。
この経験から「生身の人間ではないものの,『Yahoo!知恵袋』は生半可な社外取締役よりもはるかに役に立つ」と判断,社外取締役や顧問弁護士,コンサル契約等を全て解任・解約して「知恵袋」を三顧の礼で迎え入れることとしたものだ。
楽天グループのサービスではない「Yahoo!」を採用したことについては「判断の客観性を確保するために,あえてライバル会社のサービスを利用することにした」としている。

楽天では,今回の決断と合わせて,お客様からの問合せ先や社内における各種照会・相談窓口等も全て「知恵袋」に一本化することで,合わせて年間80億円もの経費節減が実現できる,としている。

楽天社内では,今回の社長の決断について「シンプルで分かりやすくなる」と前向きに評価する声がある一方,「社内機密を含む相談を知恵袋に質問して,ネット上にさらすのは抵抗がある」「どこの誰かも分からない人間の回答に従ってしまうというのは,ある意味で壮大な振り込め詐欺に引っ掛かるようなものではないのか」と慎重な姿勢の社員も少なくない。
三木谷社長はこうした声に対して「文句はとりあえず実際にやってみてから言ってくれ」と突き放した対応をしている模様だ。
また,解任された社外取締役監査役からも「我々に対する侮辱ではないか」という抗議が寄せられているが,三木谷社長側は「そういう抗議も,知恵袋経由でお願いします」とにべもないという。


今後,楽天関係者や利用者からの質問が急増することになる「Yahoo!知恵袋」の動向から当分の間,目が離せそうにない。