「ゆるキャラグランプリ」,存亡の危機

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全国の人気「ゆるキャラ」の中で日本一を決める,人気イベント「ゆるキャラグランプリ」が想定外の事態に見舞われ,「このままではグランプリの意義がなくなってしまう」と,主催者側は危機感を強めている。


ゆるキャラグランプリ」は,2010年から毎年開催されている,人気投票で「ゆるキャラ日本一」を決定するイベントだ。エントリーが比較的簡単であることや,ネットによる投票ができる手軽さなどから人気を集めており,初回は169体に過ぎなかったエントリー数も,現在投票中の2014年大会では1,698体にまで増加している。
全国的な知名度を誇る「くまモン」も,そのブレイクのきっかけは2011年のグランプリ受賞だ。
また,組織票と見られる大量投票により,不気味なキャラクター「にしこくん」が2011年ランキングで3位に入り,西国分寺の全国的な知名度向上に貢献したのも記憶に新しいところだ。


そんなグランプリのランキングに,今年異変が発生している。

その発端となったのは,現在ランキング1位に輝いている「遠藤年男さん(77)」だ。
遠藤さんは広島県在住の実在のご老人。孫娘のA子さん(13)が,「おじいちゃんと居ると,どんなゆるキャラよりも癒されるから」という理由で,年男さんに無断でグランプリにエントリーしたのが2ヶ月前。
同時に,A子さんは,年男さんのあまりにホノボノとした日常を毎日撮影し,Youtubeで公開したところ,「こんなに心が和む映像は見たことがない」と世界中から1ヶ月で2,000万件を超えるアクセスを記録した。

これですっかり年男さんファンになった人々が,ゆるキャラグランプリにエントリーされているのを発見して連日大量の投票を行った結果,2位の「ぐんまちゃん」に大差を付ける独走状態となっているものだ。

これを見て,「リアル人間もエントリーできるんだ」ということに気づいた全国各地のご老人が続々と自薦・他薦でエントリーを行い,老人会を通じた組織票獲得運動などにより,10月8日現在で,ランキング上位30位のうち,「坂田万蔵さん(89)」などお爺さんが7名,「垣内ハルエさん(82)」などお婆さんが9名と,本来のゆるキャラを駆逐する勢いとなっている。

一方,そうした状況に便乗し「おじいちゃん,グランプリにエントリーしてあげるから,登録費用を出してよ」とねだる新手の「ゆるキャラ詐欺」まで発生しているという。

ゆるキャラグランプリ実行委員会ではこうした事態に,「このままでは来年は『ほのぼのご長寿グランプリ』になってしまう」と危機感を強めているが,「毎日自分のランキングを確認するのが楽しみ」という,全国のご老人方の生きがいを奪うわけにも行かず,苦慮している模様だ。

リアル人間とキャラクター軍団の対決に最終的にどのような軍配が下されることになるのか,11月3日に予定されている結果発表が見ものだ。