ビジネスシーンにみる「新語・流行語」事情

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。


2014年流行語大賞にノミネートされた50の新語・流行語たち。
耳慣れない言葉も多いが,意外にもビジネスの現場で使われている用語も少なくない。今回はそうした言葉のいくつかを紹介する。


上位入賞が期待される流行語の一つである「壁ドン」
少女マンガにおいて,ヒロインが男性キャラクターから迫られるシチュエーションから来た言葉であり,壁を背にした相手の正面に立ち、相手の背後の壁にドンと手をついて、立ちはだかるさまを表す。

意外にもこのシチュエーションと「似た経験はたびたびある」と語るサラリーマンが少なくない。
「先日も取引先との価格交渉で壁ドンされました」と語るのはOA機器商社に勤める木村貴司さん(34)。
取引先を訪問し,応接室に通されて3分後,普段は顔を見せない先方の担当部長であるAさん(54)が突然入室。挨拶しようと立ち上がった木村さんは,Aさんから壁際に追いやられてしまった。
逃げられないように壁に手を突いたAさんはニヤリとしながら「なあ,今後も取引するから今回の価格は7割引で頼むよ」とあまりに無茶な要求を突きつけた。
「そんな,無理です…」と答えるのが精一杯だった木村さんだが,いつまでも手を突いたまま動こうとしないAさんの前に屈服,「持ち帰り前向きに検討する」という約束をさせられた。
本来の壁ドンと区別するため「ビジネス壁ドン」とも呼ばれるこうした行為は,一歩間違えればパワハラや監禁罪に該当しかねないため,日本経団連では会員企業に注意を呼びかけているという。



流行語と言えるかどうか微妙な「リトル本田」
サッカー選手の本田圭佑が、イタリアのACミランに移籍する際の記者会見で「どのクラブでプレーしたいのか,心の中のリトル本田に尋ねてみた」と答えたところから来ている。

この言葉は,お互いの建前がぶつかる厳しい交渉において,戦略的に本音を少しだけ漏らすためのキーワードとして使われることが多いという。
前出の木村さんは「私の心の中のリトル木村は少し意見が違うようですが,弊社としては無理と言わざるを得ません」などという言い回しで苦しい胸の内を明かし,相手との妥協点を探るきっかけとして利用しているという。



マスコミにおける露出機会も多い「マイルドヤンキー」
マーケティングアナリストの原田曜平氏が提唱した、「地元・仲間愛が強い」「車で近くのショッピングモールに行くのが好き」「上昇志向がない」等を特徴とする若者たちを指す用語だ。

ビジネスとはあまり関係がなさそうであるが,スパークス・アセットマネジメントが運用する日本株ファンド「マイルドヤンキー・ショート」が好パフォーマンスを示していることで注目を集めている。
このファンドは,「創業の地から離れようとしない」「事業拡大意欲が乏しい」「役員が親族だらけ」「ショッピングモールにやたらと出店したがる」等,「マイルドヤンキー的な特色を備えている企業」30社を選んで空売りし,TOPIX等市場インデックスとのパフォーマンス差を収益化するというものだ。
「マイルドヤンキー」のレッテルを貼られた企業からは抗議が来ている模様ながら「しょせんはマイルドな抗議なので,大して気になりません」と運用担当者は笑っている。



一般にはあまり知られていない「J婚」
災害救助活動等で注目を集め,好感度も上がっている自衛隊員との結婚を指す言葉だ。最近は独身自衛官と一般市民の婚活をサポートする自衛隊主催のパーティなどまで開かれている。

ビジネスにおいても,社会的イメージが向上した自衛隊との戦略的提携等を希望する先が増加しているといい,これらは「政略J婚」と呼ばれている。
かつて,東京ディズニーランド・ディズニーシーと陸自・海自が合併して「ディズニー陸上自衛隊」「ディズニー海上自衛隊」を創設する構想が実現寸前で頓挫したことがあったが,現在も水面下では様々な提携話が進んでいる模様だ。



はたしてこれらの言葉のなかから大賞が選ばれることになるのかどうか,特に注目は必要ないと思うが,注目したい人は注目してみてはいかがだろうか。