日本郵便,意欲的な新サービス発売へ−上場3社への対抗心あらわに

注意:この記事には,現時点において事実ではない情報が大量に含まれています。記事中に登場する法人名・個人名等は実在のものとは一切関係がありません。その点をご理解のうえお読みくださるようお願いいたします。

4日,日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命の3社同時上場を果たした日本郵政グループ。

上場で浮かれている3社をよそに,社内の空気が冷めているのが唯一非上場のままの日本郵便株式会社だ。法令により,同社の株式は全株を親会社である日本郵政保有し続けることとなっており,お祭り騒ぎのグループ内で疎外感を感じている。
そんな同社が,グループ内での存在感を強烈に発揮すべく,「郵便」の概念を大きく変える新商品群を毎月1つずつ登場させる方針を公表。その第1弾サービスを,16日から開始すると発表した。



記念すべき第1弾商品は「酔客ゆうメール」だ。
これから忘年会シーズンを迎えるが,泥酔してしまった参加者の介抱は,宴会幹事にとって悩みのタネだ。
タクシーに乗せて帰そうとしても,なかなか車がつかまらない,あるいは本人がきちんと住所を言えない,さらに遠方であれば極めて高額の運賃が必要になるなど,問題は数多い。


そんな悩みに応えるのが「酔客ゆうメール」だ。
具体的な利用方法は以下のとおり。

  1. あらかじめ郵便局で「配達シール」を購入する。
  2. 宴会幹事等の利用者は,泥酔した忘年会出席者等,配達してほしい酔っ払いを,都内の主要繁華街に合計50か所設置された「酔客ポスト」内に入れる。「酔客ポスト」は縦横2m,高さ1.5mの箱状で,最大で10名程度の酔客を収容可能だ。
  3. 利用者は,酔客のおでこに,配達先(当面は都内23区内に限定)の住所・電話番号等を記載した「配達シール」を剥がれないようしっかりと貼り付ける。
  4. 配達シールには「普通便」「簡易書留便」「書留便」の3種類があり,料金はそれぞれ1,000円,10,000円,20,000円。
  5. 30分ごとに日本郵便の集配車がやってきて,ポスト内の酔客を回収して集配車に乗せる。書留便の酔客は車内の2段ベッドに,簡易書留便は3段ベッドに,普通便は空きスペースに適当に積上げられる。
  6. 書留便→簡易書留便→普通便の順番で,そのまま配達に回る。
  7. 書留便の酔客の場合は,配達先の家族に丁寧にあいさつのうえ,酔客の寝室まで丁重に運び入れてサービス完了。簡易書留便の場合は玄関先の引き渡しで完了。普通便は郵便受けに酔客の頭を突っ込んで配達完了となる。
  8. オプションで,配達完了証明(配達先で酔客の写真を撮影,利用者に送信)サービスも利用可能。

サービス開始を記念して,13日(金)夜,銀座5丁目で無料ゆうメールサービスが提供された。
大型の郵便ポストといった趣の「酔客ポスト」は,酔客の顔色を意識したのか,ピンク色に塗られており,中は手狭ながらクッションが敷き詰められるなど,意外と居心地がよい感じ。
実際にこのポストに運び入れられた江東区在住のAさん(56)は,プロジェクトの打上げで飲みすぎてしまったという。
この日の集配車には,CMでイメージキャラクターを務めるタレントの松本人志さんも同乗,CMの「ばかまじめ」キャラクターそのままに,Aさんを力強く担ぎ上げると,集配車内に気合を入れて投げ込み,そのまま集配車は走り去っていった。


このサービスには,「普通便ならタクシーより安くて便利」「書留便はちょっと高いが,酔いつぶれた接待相手を送り届けるのにとても便利そう」等,各方面から高い関心が寄せられており,サービス開始当初から採算の確保も期待できそうだ。
日本郵便では,「当面は『配達シール』に記入するための住所等をあらかじめ調べてもらう必要があるが,将来は,額にマイナンバーを書くだけで配達・精算が出来るようにしたい」としている。


こうした,従来の郵便イメージを覆す新商品が今後続々と登場するとあって,世間の日本郵便に対する期待感は急速に高まっている。
日本郵政グループ全体の成長シナリオにも寄与する話であり,悪い話ではないはずだが,グループ内の内紛や権力闘争にもつながりかねないだけに,上場3社の幹部は複雑な思いで日本郵便の今後の行方を見守ることになりそうだ。