マラソン報奨金、記録ラッシュで危機的状況−奇策で対応か


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長年、記録の低迷が続いていた日本のマラソン界。しかし今年になり、設楽悠太選手・大迫傑選手により相次いで日本記録が更新された。
その原動力のひとつとも言われているのが、マラソン日本記録更新者へのいわゆる「報奨金」制度だ。
しかし想定を上回る記録更新の続出により、今後の報奨金財源に暗雲が立ち込め、プロジェクト事務局が窮余の策として検討しているプランが明らかになり、関係者の間に困惑が広がっている。



この報奨金制度は、日本実業団陸上競技連合が主催する「プロジェクト・エクシード」プログラムの一環として運営されているものだ。
2020年3月、東京五輪代表が決まるまでの間に日本記録を更新した男子・女子マラソン選手に対し、1億円が報奨金として支給される。プログラムのスポンサーには第一生命、旭化成コニカミノルタ等、実業団の有力企業が名を連ねている。


当初、事務局では、期間中の日本記録更新は「最大で2回程度」と見ていたという。
しかし、既にその2回は達成され、設楽選手・大迫選手は報奨金を使って著名コーチを招聘するなど、来年に向けてさらなる記録更新が達成される可能性が高まっている。
また、両選手の活躍に刺激される形で有力選手のトレーニングが激しさを増しており、「このままでは、2020年までの公認レースごとに日本記録が更新されかねない」と事務局では懸念している。


最悪の場合、同プログラムによる報奨金の支出総額は100億円(監督・チームへの報奨金を含む)に達するという試算結果に、連合の西川会長は「うれしい悲鳴、と単純に喜ぶことは難しい」と顔を曇らせる。
報奨金の財源は、プログラムスポンサーである各企業が負担することとなるが、各社とも、報奨金の負担が大幅に増えた場合には「社内でスポンサー継続の是非をめぐる議論になるのは確実」(スポンサー企業)という。


そうした情勢下、「日本記録続出によるプログラム崩壊」という事態だけは避けたい事務局が「やむを得ない」として実行を検討している対応策が、「選手にとって厳しいレース環境づくり」だ。


ラソンコースは、例えば直線区間が長い、あるいは下り坂が多い等の条件により記録が大きく変わる。
レース間の不公平を排除するため、国際公認マラソンコースとして認められるためには、「スタート地点とゴール地点の高低差は最大で42mまで」等、数多くの厳しい基準をクリアする必要がある。
世界記録が頻出するベルリンマラソン等は、そうした基準の範囲内で最大限、ランナーに有利なコース設定が行われているが、プログラム事務局では今後、こうした条件の緩いレースへの出場は報奨金対象とせず、また日本国内のレースについても、コースをより過酷な方向に変更させることを検討しているという。
さらに事務局では、「給水ポイントにおけるスペシャルドリンクの中身を無断でセンブリ茶に入れ替える」「コースに突然幼児が飛び出してくる」「大型スーツケースを抱えてコースに迷い込んできた外国人観光客に道を尋ねられる」等、選手にとって過酷とも言える試練を仕込むことも内々検討している模様だ。


これらの策について、有力選手達は「日本記録更新を後押しするはずのプロジェクトが、逆に記録更新の足を引っ張るとは」と猛反発している。
しかし事務局では、「本プロジェクトの最終目標はあくまで、東京五輪で日本選手が良い成績を挙げること。そのために、あえてそれまでの間のレース条件を厳しくして選手を鍛え、東京五輪本番でその成果を爆発させてもらいたいと考えてのことだ」と主張、一歩も譲らない構えだ。


同事務局では、日本ボクシング連盟山根明・前終身会長(79)との間で顧問契約を締結したことも明らかにしているが、これは、それでも日本記録更新者が続出した場合に、「対象選手らに対し、1億円を全員で山分けすることで納得するよう、水面下で強引に説得するための即戦力人材として雇ったのではないか」との見方も出ている。


こうした一連の事務局側の動きに対し、今後の公認レースへの出場を予定している有力選手らは「負けるものか」と、闘志をますます燃やしている。


12月2日の福岡国際マラソンでは、出前中のバイクが先頭選手にぶつかって熱々の豚骨スープとバリカタの細麺を頭から浴びせることになるのか、また来年1月27日の大阪国際女子マラソンでは、コース上に置かれたお好み焼きで選手が足を滑らせることになるのか、そして2月3日の別府大分毎日マラソンでは、別府温泉の熱湯がシャワーのように選手に降り注ぐことになるのか、そして選手はどこまで耐えて記録をのばせるのか、注目が必要だ。